火傷をした。
じんじんじんじん。
お湯が少し、手にかかってしまった。
じんじんじんじん。
考えてみれば、こういう痛みがあとまで続く火傷をしたのは初めてだ。
口の中を火傷したことはあったけど。
先日、アムステルダムで旅行ガイドをしている友人が
「2ヶ月間の自粛期間を通して改めて、戦時中2年間隠れ家で隠れて生活し続けたアンネの精神力、みたいなものを感じた。」
と話していた。
それを聞いて私は、確かに、と思って、
次に、やはり実感の伴う経験が人の想像力をさらに広げてくれるんだなぁと感じた。
私が友人の話に共感できたのは、同じように自粛期間を過ごしたからだ。
私が何かで初めてアンネフランクのことを知ったときは、当時の私なりにそのことを想像してみて、いろいろ感じたことがあったし、過去の歴史に起きた悲惨な出来事として、心に残った。だけど、そのときした想像は漠然としたものだったと思う。
今回、友人の話を聞いて、
私が自粛生活で感じた、不便だったこととか、つきまとう不安感、運動不足による気力の低下、気軽に人に会えない寂しさ、気を張り続けることの難しさ、生活に慣れたつもりで知らず知らずのうちにたまっているストレス、とかを思い出して、
それを、2年間。と、改めて想像した。
しかも、言うまでもないけれど、当時と今では、状況が全然違う。家で過ごさなければならない理由も。環境も。
想像が、より具体的なものになった。
以前もこのブログで同じようなことを書いたことがある気もするけれど、
思わぬ経験が、いわゆる「想像できない」ような事柄を、具体的に想像する手助けをしてくれるものなんだなぁと本当に思う。
まぁ、前置き長くなったけど、
このじんじんする火傷の痛みも、いつかどこかで私の知らない世界、知らない経験を知りたくなったときに役に立つかもしれない、特にお芝居をやる上で、どんな小さな経験も無駄なことはないはず。
と、まぁ、そう思うことで、
この痛みもちょこっと許せるような気がするんです。
じんじんじんじん。
…許せる気もする。ような。痛いような。
トホホ。
今回限りでよーく観察して記憶に残してやるんだからー( `□´)ノ




