帰路につく。

いつもよりだいぶ人の少ない電車の中。

なんでだろうー。

余裕で座ることができて、なんとなく、うれしい。

少し伸びた前髪、いじりながら
今日も疲れたなぁと思ってみる。




少し前に、昔の共演者と久しぶりに会ったのだけど
自分が過去にやっていた仕事に関して

「未練はあるけど、後悔はない。」

と、言い切っていて。
その言葉が、強く心に残った。



なんとなく、自分の中で「未練」と「後悔」がごっちゃになっていたけど、改めて調べてみると

未練は、諦めきれないこと。
後悔は、してしまったことを後から悔やむこと。

らしい。


何かを決断するとき、未練とかを残しちゃいけないものだと思っていた。なんとなく、無意識にそう思っていた。

けど、その友達は、今の仕事がめちゃくちゃ楽しい、とキラキラした目で語ったあとに、前職に対して「未練はあるけど、後悔はない」と言った。


未練、あってもいいのか。
目からウロコ。

過去に未練があるからと言って今不幸なわけではないんだ。未練と一緒に今幸せに生きることはできるんだ。

未練と後悔は違う。

何かを諦めきれない気持ちは、また別の形となって次へ繋がるかもしれないし、もしかしたら今後それと出会い直して再出発することもあるかもしれない。

未練は、抱えて生きることもできる、いつか消化することもできる。
未練と一緒に未来を見据えて進むことがきっとできるんだと思った。


悔しさは。
悔しさだけは、消化できないかも。
してしまったこと、あるいはしないと選んでしまったこと。
そういうことへの後悔は、ずっと残る。

私の生きてきたたった29年間の人生の中でも、それだけは身に覚えがある。
後悔はずっと残る。

前向きに抱えることも、できない気がする。
後悔の残り方は、なんというか、自分の内側を知らず知らずのうちに蝕んでいくような残り方だ。





いろんな選択をして生きていかなきゃいけない中で
迷ったときは、「未練あっても後悔はないように」と、これから自分に言い聞かせていくことができそう。

この名言を伝えてくれた友達に感謝。

実際、この言葉にとても勇気をもらえて、一歩進めたことがある。すでに。
ありがとう。