サーッ、て。夜、家に帰ったあと網戸にした自分の部屋の窓からサーッと雨の降る音がする。たくさん歩いて疲れたと叫ぶ足とか自分の汗とか外の埃とかで落ち着かない皮膚とか人の負の感情にあてられて参った心とかあちこちに散らばって整頓されてない頭の中とかそういうのが雨の、サーッ、でなんとなく、均される気がする。良い意味で、均される気がする。軽くて、重みのある音。いつかの雨が降った街。