去る人に
私が出来ることは、何もない。
言葉は無意味だ
残された私の感情も、去る人にとっては、通過点でしかない。
大きく決意した彼の前で
私はどんなにかちっぽけか。
私が選んだものを
選ばず捨てた人がいる。
彼が選ばなかったもの
選びたかったけど捨てる決意をしたもの
それを私は彼と同じほどの、それ以上の意思と覚悟で、選んでいるのか。
ちゃんとこの手で掴んでいるのか。
生きやすい場所を探すあまり、どこか見えないところで言い訳を産み出してはいないか。
自らを振り返る。
彼が選ばなかったものだけじゃない、
自分自身が切り捨ててきたものも、過去を振り返ればたくさんある。
そのとき心苦しく置いてきたものたちに
ちゃんと顔向けできる自分なのかな、今。
選択肢がたくさんある人生。
きっともう何を選んでも、選ばなかった方への未練や後悔は必ずあるものだとおもう。
私も、彼も。
大事なのは選んだ先の自分だ。
選ばなかった後悔はあれど
同時に今の自分を選んで良かったとも思えるように、自分で自分に責任を持ってがんばらなきゃいけない。
選んだ先で充実した日々を送る幸せな自分になる覚悟をすること。これがたぶん、大事なんじゃないか。
去った彼と、5年後、10年後、
飲みにでも行ったときに
言い訳のない私でまっすぐに彼の目を見て笑い合えるように
日々、精進。