私が物心がつくずっと前、高品坂下にお肉屋さんがあった。

「ミヤマ」だ。そもそもミヤマは、元クラスメイトのおじいちゃんが経営していたらしい。

それをミヤマのお父さんがコンビニにした。私は家の前にデイリーがあったので、あまり買い物はしなかったが、小学校の帰りに寄り道をして、特に夏にエアコンが効いていたので、「ユキオ」といっしょにジャンプや漫画を座り読みしていた。

すると、店番のおばあちゃんが、「早く帰りな」と言った。コンビニエンスミヤマは品数が多く、いつもキレイだった。

そもそも手作り弁当がウリで、労働者の胃袋を満たしていた。ついで買いで、お菓子やジュース、スポーツ紙を買っている様だった。

しかし、その繁盛もながくは続かなかった。近くに「セブン」が出来たのだ。

私も思わず「ミヤマ」を素通りして「セブン」に行ってしまい、罪の意識が芽生えた。

ハンド部の「アライ」は、唐揚げがミヤマは一番うまいと言って毎回買っていた。そのかいもあってか、セブンは突然閉店した。

その理由は駐車場の確保にあった。お客さんは新しくなったセブンに殺到した。父の来るまでコンビニエンスミヤマの前を通ると、誰もお客さんはいなかった。

申し訳なかったが、ほぼ見殺し状態となり、2004年閉店した。