となりのレジスタです! ご来訪頂きありがとうございます。



今年はあすぴれんとの当事者講演会で講師として話する機会を頂きました。

講演会に出る事が決まったのは2月頃。本番は5月に行われるという事で、まだ大分先の事ではありましたが自分にそんな大役が果たして上手く務まるだろうか、緊張しつつも、わくわくしている様な、そんな気持ちを持っていました。

 

そんな中、3月に私の父が、入院しました。癌が骨転移していたのです。

転移の進行が早くてもう手の施し様が無くて、余命も少なく、モルヒネで痛みを和らげる事しか出来ませんと、入院当日、主治医に伝えられました。

 

それから、父の病院に看病見守りに行く様になり、入院当初は私が買ってきたお寿司や好物のアイスクリームを父は美味しそうに食べてくれて、笑顔もありました。ずっとこの瞬間が続けばと。このまま時間だけが止まれば良いのにと。

 

姉と交代交代で病院に通っていて、普段はあすぴれんとに通う私も、さすがに、行く間隔が空く様になりました。

 

そして、4月上旬に父は亡くなりました。最期の時、私達姉弟は病室で父の両手を2人の手で包み込む様に握って、泣きながら何度も言いました。

 

「今までありがとう。もう苦しまなくていいんだからね。本当にありがとう」と。

 

いつも父へ、心労や迷惑を掛けてきた私たち子供にとって、最期を看取れたこの時間が唯一の孝行だったかなと思います。

 

そんな中で、私はあすぴれんとに結構通っていました。身辺が大変な時に、自分が施設に通ってプログラムに参加したりすることを、不謹慎だという風には自分は思っていませんでした(通える環境が整っていた状況という意味では恵まれていたとは思います)。父が亡くなって8ヵ月程経った今もその心境は変わっていません。

自分の体調が悪くなくて、あすぴれんとに行きたいのなら行けばいいのかなと思っています。

それは今までも、そして、これからも変わらないスタンスです。

 

 

むしろ、あすぴれんとに行く時は、プログラムに参加して、学ぶ事に集中出来たり、笑って楽しんで過ごせたりする事が出来て、他のメンバーやボランティア、スタッフさんには本当に心が救われる思いでした。

 

自分の父の事情をご存じだった方にしても、そうでない方も、いつも通りの接し方でいて下さったんです。それは私にとって涙が出るほどありがたい事でした。

 

父が亡くなったのですが、あすぴれんとのみんながいるから、自分がその辛かった時期も無事に過ごせたのではないかと思っています。あすぴれんとのみんなは温かくて、それでいて絶妙な距離感で、本当に最高です。

 

5月の当事者講演会も、父の事があったけれど、無事に務める事が出来ました。

私にとっては、自分の意識を講演会準備に向けられた事も、自分が少しだけども成長しているプロセスを感じられた時間だったかもしれません。

 

そして、今年一年を振り返ると、自分の強みを全面に押し出していた一年だったかもしれません。そして、言葉にするのは怖い事ではありますが、実はそれって逆に自分の弱さを隠したいという様な衝動に目を逸らしていたんじゃないかとも思うのです。

 

なので、自分自身が弱さ、能力の限界を知る事と、限界に向き合う事に価値を見いだせる様、まず弱さを受け入れる事が、(さらけ出すまでは難しいですが)、自分の課題としてとても大事なことなのではないかと。そんな自分を認めて上げる事も同じ程に大切ではないかと。

 

もっと人に素直になりたいし、自分にも素直でありたい。少し他人に甘えられる様になれたら、もっと生きやすくなるんじゃないかなあと。

 

そして、自分が今現在もっている能力の限界は、実は自分の成長を実現する始めの一歩ではないかと。

 

ここまで、お読み頂き、ありがとうございました。

 



今年一年、本当にありがとうございました。

来年もあすぴれんと・メンバーブログ「明日葉」をどうか宜しくお願い致しますm(__)m