芸術において「良い」や「正しい」は存在しませんが、
正しいフレージング、自然な解釈…という言い方は出来るけれども
姿勢…スポーツで言うところのフォーム…に関しては、力学的な話になってきますので、ある程度「良い」「正しい」ものが存在すると思っています。
今日は、そんな姿勢の話を少し。
普段はレッスンで生徒さんに偉そうに(?)姿勢のことを注意している私ですが、
何を隠そう、私は小さい頃
肩が上がる
指が突っ張る
手首が固まる
肘を広げる…etc.
脱力が大の苦手で、NGとされていることを一通りやっている子でした😅
こう弾きたい!という気持ちが強く、身体の使い方のアドバイスは二の次にしてきた結果
この弾き方のままだと音楽的にも技術的にも、この先には行けない…と自覚したのが音楽高校に入りたての頃。
それから高校大学とかけて身体の使い方を大幅に見直しました。
無理をして腱鞘炎にもなったり…💦今はそんな弾き方はしませんが!
当時の先生方をはじめ、ミキモトメソッドの故・御木本澄子先生には大変お世話になりました。
↑ミキモトメソッドで使う道具の一部。
ハマるとひたすら取り組むタイプなので、フィンガーボードは移動中の電車でずっとやっていました。
不思議に思われ「それ何?」と声かけられたりも😄
一度ついてしまった癖を直す
それはそれは大変な作業で😭
私の場合、7年もかかりました。
しかも毎日の練習時間はこの学生時代がマックス。
癖をつけ続けた2倍、いえ3倍?修正の時間にかかったことになります。
だいぶ遠回りはしましたが、その甲斐あり、身体とやりたいことが連動できているかも…と感じ始めてからは表現力も広がったように思います。
そして、より良い演奏法の模索は継続中です✨
毎日練習してくれる生徒さん達ですが
もし正しくない姿勢や癖のままそれを続けたら…😱
真面目に練習すればするほど、それを自分の身体に覚え込ませていることになります。
そんな実体験があったからこそ私は
姿勢、脱力、手の形、椅子や足台の高さには厳しい方かもしれません。
入会したばかりの生徒さんにも、最初が肝心です✨と、姿勢のお話を何度も丁寧にさせていただきます!
最近入会されたかわいい年中さん❤️
何事にも通じると思いますが、その人の身体にとって一番理にかなった状態にある時が一番良い結果(音)が出る時。
まだ分からないだろうから…
そのうち直せばいいから…
プロの道には進まないだろうから… ではなく…
生徒さん達には初めから、正しい方向へ導けるよう声がけをしています。
もちろん体格には個人差がありますから、身体的に難しい時は成長を待ちつつ
そして何より、正しい姿勢で弾かなければ得られない音を求める耳を育てつつ
何年もかけて、辛抱強く声がけします😁
そうしていると、
「あら?そういえば最近肩のことを注意しなくなってきたんじゃない!?手首の脱力が出来てきたんじゃない!?」
なんて瞬間が必ず来ます😊
今日も、とある方とスポーツのフォームの大切さ・奥深さの話題になり、
音を飛ばすのも球を跳ばすのもやっぱりフォームなのよねぇ…
と深く頷くばかりの私でした。