「ソテー」という調理法があります。今日はこの調理法を解説します。
 
少し堅苦しい説明になるかもしれませんが、昨今のカンタンなだけ?の手軽すぎる料理に多少うんざりなので、基本の基本ですが最後までお付き合いくださいね。
 
一言で炒める・焼くといってもニュアンスによりいろんな違いがあります。中華鍋を豪快に振るのも炒める=ソテーですし、鉄板でステーキを焼くのも広義ではソテーです。
 
チキンソテーを例に上手なソテーのポイントを説明します。
 
ソテーとは熱源から間接的に加熱していく方法です。わかりやすく言うとフライパンや中華鍋を熱し、そこに素材を入れて火を通していくという事です。ですから基本的にはフライパンに接地しているところしか加熱されません。反対側はひっくり返して加熱する必要があります。

 

 

 
チキンを焼く前に下処理をします。素材は下から均等に加熱されるので、できれば厚みは同じくらいの方がいいです。ステーキとかも同じ厚みにカットしてありますね。火の通りが部位によって違う場合があります。鶏もも肉の場合は足首側の方が筋っぽく焼き縮みするので、包丁で少し切り込みを入れておきます。
 
焼く前に素材の水分をよく拭き取ることも大切です。余分な水分は加熱の邪魔になります。フライパンは肉の大きさに合うものを用意して下さいね。ジャストサイズが理想です。
 
水分を拭き取ったら塩を適量振り、熱したフライパンに少量の油を入れて皮目から焼き始めます。
火加減は目視で確認することも大切ですが、重要なのは音です。ジューっと音がしているか耳をそばだてて下さい。中火くらいでいいから慌てないで。鶏肉を軽く押さえつけながら焼きましょう!
 
焼いてる途中で脂が溶け出してきます。余分な脂はキッチンペーパーなどで拭き取ります。この脂には鶏肉特有の臭いがあるからです。

 

 

 
さて時々皮目の様子をみてください。全体にこんがり焼き色が付いていればここまでは順調です!
皮目もパリッとしていると思います。皮目の周りにつながる身の部分も白く焼けていますか?イメージ的には皮目が8割、返して2割くらいで焼き上がりです。最初は戸惑うかもしれませんが、皮目の方を結構な時間焼くことになります。
 

 

 

 

ひっくり返して身の方に火を通します。この時フタをしてはダメ!せっかくの皮のパリパリ感が失われてしまいます。そうならないためにも皮目を焼くときにほとんど火を入れているイメージが大切です。

 

 
焼けたら鶏もも肉を取り出し、ペーパータオルを敷いたバットに置き、余熱で火を通しながら肉汁を落ち着かせます。
 
皿に付け合わせを盛り、こんがり焼けたチキンソテーをのせてください。ものすごく美味しいシンプルだけど味わい深いチキンソテーの出来上がりです!
 
おさらいをしましょう。ソテーは丁寧に、間違ってもガチャガチャすることではないです。よく材料をつつきまわしたり、頻繁にあおる人もいますが、フライパンに当たってるところしか火が入らないので無駄です。かえって時間がかかるばかりです。
 
基本は覚えておいて損はないですね。