「もっともタチの悪いのが、「よく効くのだが、ずっと続けなければいけない」薬である。やめれば再 発し、命に関わる。だけどすごくよく効く。」
「その代表が慢性骨髄性白血病(CML)に対する分子標的薬、グリベックである。2001年に承認されたこの薬は、分子標的治療薬のチャンピオン格であって、それまで10年生存率が20%程度であったCMLの予後を、一気に10年生存率80%まで改善した。しかしこの薬はCMLを抑えるためにずっと服用しなければならない。10年生きられたら10年、15年生き延びたら15年、薬代がかかるのである。
この薬を世に出したノバルティス社は、当初CMLのように患者数の少ない病気に大して新薬開発を行うのは消極的であったと言われている。しかし、出来てみると、製薬メーカーにとっては打出の小槌のようなものである。これにつけこんで(と言われても仕方がないが)、ノバルティス社は薬価をつり上げた。日本では薬価を決めるのは「お上」であり、定期的な改定によって下げられていくのが普通だが、アメリカの薬価は企業がつける「言値」であって、どんどん値上げされることも多いのである。」
・・・患者数は少ないけど、死ぬまで飲み続けるから打出の小槌になったと。しかも一度飲んだらやめられない、まるで麻薬のような。つけこんで値上げするとは、さすがアメリカ。 (つづく)