「問題は、「高いのに大して効かない薬」と思いがちであるが、そうではない。本当の危機を招くのは「高くて、よく効く薬」である。」
・・・「高いのに大して効かない薬」を処方した医者がいれば、それはそれで問題なのでは。
「「高くて、あまり効かない薬」は、要するに使わなければいいだけの話で、捨ててしまっても大して惜しくはない(むろん、「高いのに大して効かない薬」はきちんと「整理」して「無駄」をなくすべきではあり、実際にはなかなかそれすらも達成されていないが、それについては後述)。アメリカは元々格差社会で、そういう薬は余裕がある金持ちだけが使えるようになっている。またヨーロッパのたとえばイギリスなどでは、コストパフォーマンスの悪い薬は保険使用が認められないから、使おうとすれば自腹を切らざるを得ず、これまた同じことである。それで別に人道問題がどうのこうのという話にはならない。どうせ「大して効かない」のだから、高嶺の花の贅沢品と割り切ってしまえば良い。
日本では国民皆保険に加えて高額療養制度(収入や年齢によって定められる一定の自己負担限度額を超えた部分の医療費が払い戻される仕組み)まである。これによるとオプジーボを使っても、自己負担分は最高(収入の高い人:月額83万円以上)でも最初の3ヶ月が30万円弱、それ以降は月額14万100円までで、年では200万円ちょっと、全体のコストの5%内外で済む。普通の収入の人(月額28~50万円)だとこれより遥かに安く、70万円くらいであって、オプジーボの年間コストの2%くらいにしかならない。高齢者だとさらに安くなる。さらに、言いにくいことではあるが、生活保護になってしまえば医療費はタダである。
これはむろん、オプジーボに限らない。効くものも効かないものもひっくるめて高額の医療も国家が「保障」してくれる。よって医者も患者も「安心して」、コストパフォーマンスの悪い薬でも使われてしまいがちになる。」
・・・なるほど。日本では、高くても国家が保障してくれるので、安心して無駄な治療も受けられる、もしくは受けさせることもできる環境にあるということですね。少なくとも今は。 (つづく)