「ここで、治療のコストパフォーマンスについて考えてみることにしよう。高い薬でも効くのならやむを得ない(もちろん程度問題だが)し、安くても効かなければなんにもならない。
 一人の病気を治すのに100万円かかるとする。これが高いか安いかは措くとして、多くの薬は、効く人もあれば効かない人もある。仮に効率が悪い薬で、効くのは100人に一人、効かない人も100万円分を投与した後でないと効いたかどうか分からない、ということになると、残り99人の「無駄玉」のコストを含めて、一人を治すのに1億円かかる計算になる。」

 

・・・使ってみないと効くかどうかわからないので、医者は「じゃあ、別の薬に変えてみましょう」と言うわけですね。服用しても効かなかった薬は全部「無駄玉」。

 

「しかし、事前に、100人のうちどの一人が効くのかを判定することが出来れば、99人に対する無駄な治療はしなくて済むので、一人治すのに必要なコストはやはり100万円ということになる(もちろん実際には、「判定」のための検査料がかかるからこれよりも高くはなるが)。」

 

 

・・・なるほど、使う前に効くかどうかの判定をすればいいと。われわれ患者にしてみれば、効くから処方された薬だと思ってますが、実は、始めから「この薬が効くかもしれないから飲んでみてください」と処方されるわけだ。無駄玉かどうか、実は人体実験だったんですね。だから医師は「薬効いてますか?」と尋ね、効いていれば継続し、効いてなければ「じゃあ、ちがう薬に替えましょう」となる。これまでの安価な薬ならそれ自体が判定でもあったわけだ。 (つづく)