ちょっと厚切りのジャーキーを作ってしまったので、歯と顎がピンチです。

どうも、アスペ嫁(仮)です。

 

先日、Twitter(現X)でこんなツイート(ポスト)を見かけました。

 

【患者目線・一般の方】

 

私は自分の症例を撮影許可してるけど、

それは「論文への掲載」の話であって

レントゲンをSNSにアップすることまで

許可した覚えはない。

 

これからは同じと考えなくちゃいけないの?

(意訳)

 

 

 

私自身はこちらの記事でも明言しているように、

自身の発達/愛着障害と生育歴等をパートナーが医師の立場で利活用することについて

「論文でも学会でもSNSでもYouTubeでもバッチコイ」であると公言しています。

 

一方で「プライバシーに関わるのでSNS等に載せられるのは嫌」

という価値観にも一定の理解はありますし、私にだって

「全世界に公開されたら嫌なこと」はあるわけで、

そのボーダーラインが個々人で違うだけなのでしょう。

 

私は医師ではありませんし、一般人以上の医療/医学知識もありません。

 

しかし、ここ10年ほどで特に強く、頻繁に感じるのが

「個人情報の意識や価値観について、私は少し特殊なタイプなのかも」

という点です。

 

ですので、今回はこの「個人情報とは」という話題について、

そして「医師が患者の情報を利用することの是非」について、

あくまでも私目線で、時に法律と照らし合わせながら、お話していこうと思います。

 

(繰り返すけど個人のお気持ちと価値観が優先の記事だよ、

パンピーだから法律もグーグル先生で調べられるところまでだよ、

ブチギレてクソリプしないで、間違ってたら優しく教えてね)

 

 

 

 

個人情報とは

 

個人情報とは、ざっくり言えば以下に当てはまる情報のことです。

  1. 生存する個人に関する情報であること
  2. 特定の個人を識別できること

 

この2点が揃うものについて、個人情報保護の対象となるようです。

 

 

【参考】

一般財団法人 日本情報経済社会推進協会 - プライバシーマーク制度講座

 

 

 

 

 

 

レントゲン写真は個人情報なのか

 

いわゆるレントゲン写真には、患者のIDや撮影日時などの情報が

デジタルで紐づけ管理をされているそうです。

 

私のレントゲンと言えば数年前に撮った歯科医院でのものが最後なので、

それ以外だと、壁に引っ付いたトレース板みたいなやつに、ドクターが

「パンッ」とフィルムを差し込む、ドラマなどでのイメージしかありません。

(あ、あとラジエーションハウスのやつ)

 

あの画像フィルム単独であれば、なるほど第三者による個人特定は難しそうですね。

 

ですが、付随するデータに個人情報がバッチリ記録されているので、

特定の個人を識別することが可能であるという点において、

レントゲン写真は個人情報として扱われるようです。

 

 

 

 

 

個人情報保護法が適用されない医療機関がある?

 

そもそも個人情報保護法とは、5000件以上のデータ等を保有する

「個人情報取扱事業者」がその内容を無闇に漏らしたり、

勝手に利用したりしてはいけないよという法律でした

 

ですので、扱う個人情報が5000件以下の医療機関(を含む事業者全体)が

法律の適用対象外となっていました

 

しかし、提供した側の気持ちとすれば、5000件だろうとたとえ50件だろうと、

「そんなの知るか、何件でも適切に扱えアンポンタンが!」でしかないわけです。

 

そこで同法は平成27年に改正され、29年5月30日の施行から

「件数とか関係なしにちゃんと保護してね」となりましたので、

現在、個人情報保護法が適用されない医療機関は存在しません

改正前でもガイドラインとかで「何件だろうがちゃんとしてね」とは言われてたよ

 

【参考】

公益財団法人 日本医学放射線学会 - 個人情報保護に関するQ&A(2023/09/29現在で改正前の情報です)

習志野市ホームページ - 個人情報保護法が改正され、対象の団体が拡大されます

 

 

 

 

 

「匿名化」と「本人の許可を得て使用」

 

一例として、アスペ嫁(仮)が癌になり病院に行ったとしましょう。

 

この時に「アスペ嫁(仮)が癌であって、ステージは云々で、今後の治療は~」

という記録が作られるわけですが、これはゴリゴリの個人情報です。

 

しかし「35歳女性、癌でステージは云々、今後の治療は~」とした場合。

こちらは匿名化が行われているので、個人情報ではなくなります

 

これは「35歳女性の癌」というのは希少疾患ではなく、その情報のみでは

アスペ嫁(仮)の情報であると特定することが難しいためで、国指定の難病など

「数十人しかいないから分かっちゃうやーつ」は名前を隠してもアウトです。

 

また、私のような変人が

「癌とか別に恥ずかしくないし、名前も出していいよ」と許可した場合も、

個人情報ではあるが本人の許可を得ているため、問題なく使用できます。

 

つまり先述の「SNS掲載バッチコイ!」というのも、

この「本人の許可を得て使用」にあたります。

 

 

 

 

 

個人情報より、むしろプライバシーな件

 

一般的に「人の名前とか連絡先とかを不正使用や漏洩したらヤバい」というのは

特に個人情報保護の研修等を受けていなくても、感覚的に分かるものですよね。

 

ですが、これが「あっ、プライバシーの侵害も当然にダメだよ」となると

「じゃあどこまでがプライバシーなのよ」という疑問が湧いてきます。

 

29年の改正法施行では「個人情報なのか微妙なんですけど」という項目のいくつかが

「要配慮個人情報」として定義されました。

 

具体的には「思想信条」「前科前歴」そして「治療歴」などです。

これら「要配慮個人情報」本人の許可を得て取得することが義務化されました。

 

「本人の許可を得て取得」した上で「目的外の利用をしない」というのが

個人情報保護法の大前提である以上、論文への掲載許可を取っていたとしても

「あくまでも論文に限ってのこと」と主張されれば、民法上の不法行為に該当する

可能性が出てきます。

 

プライバシーの侵害が不法行為として民事訴訟になれば、裁判ですから公開です。

 

世の中には「傍聴マニア」なる人達が一定数いて、実名こそ伏せられたとしても

「こんな面白い事件が」と、それこそネット上に詳しく書かれるかもしれません。

 

人というのは想像以上に各所で繋がっているものなので、地域や外見等の特徴から

「あの先生の仕業では」等と風評を呼びます。

 

運悪く特定班と呼ばれる人達に見つかれば、もう取り返しもつきません

 

脚色をしている、いくつかの症例を組み合わせる等で架空のケースを

創作しているのでもなければ、SNSに症例を公開するなどというのは

「そのリスクとメリットが釣り合わないよ」という、そんなお話なのです。

 

だから他の先生方もリスクヘッジの観点で「やめとけ」と仰るのでしょう。

学術研究ですら倫理指針とかあるのに、匿名医師のSNS垢にそれ以上の価値とか認められると思えんしな。

 

【参考】

習志野市ホームページ - 個人情報保護法が改正され、対象の団体が拡大されます

 

 

 

 

 

でもそういうの、私は結構好き

 

「リスクとメリットが釣り合わないからやめとけ」

と言われがちな症例ツイートですが、個人的なことを言うのであれば、

私はわりと好きです。

 

以前に「ちゃんと止めたのに、体調不良の乳児を連れて旅行に行った親」

という症例ツイートをしてくれていた某小児科の先生がいたのですが。

 

そこに多少の脚色はあったにせよ、ワンチャンこれから親になるかもな身として、

正常性バイアスの怖さとか、そういう物をリアルに感じられたので。

 

バカ親のせいで体調を崩して苦しんでる乳児が実在するのならば心苦しいけれど、

それを医師が対応して心に留めるだけだと、何の学びにも繋がらず終わるので。

 

へー、こんな事があったんだー

赤ちゃんの体調不良を甘く見ると怖いなー

自分も気をつけよー

 

そうやって数人の母親のもとにでも届いたなら、多少の意義はあると思うのです。

 

その先生にどこまでの問題意識意図するものがあったかはわからないけど、

少なくとも私にはプラスになった。

 

まぁ、散々リスクヘッジだのやめとけだのと書いたあとでアレなんだけども。

 

仮に。

仮に私が同じ立場だったとするなら、きっと同じことをしたと思う。

 

子供を元気にしたくて小児科医やってんのに、バカ親に振り回されてる

眼の前の子供を見ても口を噤むなんて、できない。

 

「もっと効果的に親を止められていたら」と、自分を責めてしまう。

 

医者どころか看護師になるのも怪しい私だけど、

ゴリゴリのアスペで人の気持ちとかわからんことのほうが多いけど、

それでも伝わるものがあるツイート(ポスト)だったんだよねぇ。

 

 

 

 

 

何者かになりたい欲

 

私の今に肩書を付けるとしたら。

「35にもなって食い扶持も稼げない発達障害でメンヘラのナマポ女」

ということになるわけですが。

 

それでもまだ「何者かになりたい欲」って、捨てられないんですよ。

 

「ここから一発逆転のシンデレラストーリー」だとか思ってるわけではないけれど。

 

せっかく女に生まれたのに、子供も作らず。

せっかく巨乳に生まれたのに、ただの肩こり製造機で。

 

なんか、どうにか、ならないもんなんかなと。

 

で。

 

普通の人は発達障害だとか毒親パワーで愛着障害だとか、そういうのを

こっそり治療して、定型発達の一般人に偽装して人生を終えたいもんなんだと思う。

 

でも私は。

何がどうしてこうなって。

この地獄の底から掬い上げてくれる人が居たらどう変わるのか。

 

そういうのを、沢山の人に知ってほしい。

 

残酷だけど遺伝の要素があることとか、

それでも子供が欲しい場合はどうしたらいいのかとか、

早期発見と療育の重要さとか、

なぜインクルーシブ教育はダメなのかとか。

 

チャンスの神様には、前髪しかないらしいですよ。

 

 

 

 

 

Twitter(現X)

アスペ嫁(仮)に餌付けをする