MITのトーマス・マローン教授によれば:


「今後・・・経済や社会は向かうべき方向に動き、ゆるやかな階層構造
や民主主義、さまさまな市場など、分散型の意思決定構造にどんどん
近づいて行くでしょう」

やがては、よりフラットな組織、構造へ移行していく、と考えている
ようだ。


しかし、現実はどうか・・・答えは・・・No


中央集権型のピラミッド組織にみられるような階層構造は厳然として
存在し続けている・・・厳然と・・・:

・中央政府、都道府県、市町村・・・
・大企業、中堅企業、中小企業、零細企業・・・
・社長、役員、部長、課長、係長・・・


あの古代エジプトの建造物であるピラミッドこそ、人間社会の仕組み、
あり方を予言し、体現しているかのように思えるのだが・・・


「人」、「財貨サービス」そして「マネー」は
この階層構造社会に集まり、そして縦横無尽に流れる。


「あなた」はそのような社会の何処かに、確かに存在している。


通常、そこから一歩でも出ようものなら、戻るのは困難を極める
だろう。
退出するのは勝手だが・・・

従って、何とかこの階層社会の中で生き延びようと、周辺ビジネス、
関連ビジネスがタケノコのように生まれ出るのはごく自然な
成り行きのように思える。

「個人」であろうが、「組織体」であろうが・・・。


さて、
「あなた」が所属するソフトハウス(小規模なソフトウエア開発企業)
はどこに位置するのだろうか・・・?

・発注元、元請企業、二次請け、三次請け、四次請け・・・

この階層(商流)の何処かに・・・位置する。


これは:
「個人」や「組織体」が、社会そしてIT業界の中で生存していくため
の~当たり前の~仕組みともいえる。


ここで、
この階層間で必要な取り決めをするためには、どうしても「契約関係」
は欠かせない。

通常、
「あなた」は、この階層(商流)間で締結された「契約関係」を拠り所
としてプロジェクトに従事することになる。


「あなた」は、
こうして生計を立ててきた・・・

「あなた」が所属するソフトハウスは、
こうして存続してきた・・・


別の切り口を提供しよう:


プロジェクトは生まれては消え、
また、新たに誕生したかと思えば、
すぐに形を変えては、また消えていく・・・

不定型なアメーバのようだ。


開発規模にもよるだろうが、プロジェクト体制の多くは混成部隊になる
だろう。

例えば、5名チームのプロジェクト体制を想定してみよう。
A君とBさんは元請企業から参画し、C君は二次請SI会社から、D君、E君
は三次請ソフトハウスからの人財だ。


プロジェクトの目的は:

ITテクノロジー、関連する知的資産、ノウハウを結集して、発注企業
が抱える戦略的な課題を解決に導くこと。

ならば、

プロジェクトメンバーが、どの会社に所属していようが・・・・
あるいは、
その会社が、どの階層(商流)に位置していようが・・・
プロジェクトの上記目的を達成するという観点に立てば、何の関わり
も無いように思える。


again,

「あなた」は、
こうして生計を立ててきた・・・

「あなた」が所属するソフトハウスは、
こうして存続してきた・・・



ここに・・・横槍が入ったのだ・・・


(続く)