「ソフトハウス」の経営者である「あなた」の会社がコツコツと
築き上げてきた「上達」ぶりを見て見ぬ振りをして素通りしてしまう
わけにはいかない。

基本的には、
現有資産(現有人財、ノウハウ、営業&技術チャネル・・・)を駆使
して、直面する難局に立ち向かうしかない。


ここで一つ注意して欲しいのは:
現有資産の上っ面だけを見ていると見落としてしまうものがある・・・

それは何か?

それは・・・社内の中核を担う人財~特に技術者~の脳細胞の中に
埋没し、目に見えない~invisible~知識、人脈、ノウハウ、アイデア
などだ:

・ 開発現場における増員・減員工数、プロジェクト予算に関る情報
・ 次期プロジェクトについての動向
・ 現場の横軸(隣の部門、別チーム)に関る知見
・ プロジェクトを通じて関った人材ネットワークとコンタクトポイント
(発注側のリーダクラス、名刺交換した営業部長など)
・ ユーザ(発注側)の視点や考え方
・ 新しい開発手法に関る学びやノウハウ
・ 他社人材の問題意識と解決プロセス
・ 周辺ビジネスに関る具体的なアイディア
・ 職を求めている技術者情報
・・・・・・

「上達」ぶりを見出すためのプロセスの中にこそ、明日から即行動に直結
するヒントやメッセージが隠されている可能性が高い。

それは「同質化のなかの固有化」を生み出すプロセスともいえる。


このプロセスが抜け落ちていると・・・単純な思いつきで:

「新規の顧客、取引先を開拓しよう!」
「何か、パッケージを担いで販売したらどうだろう?」

なんてことになりかねない。

確かに、新規の顧客開拓は将来への布石として悪くはない。
しかしながら、現実の未稼働対策としての即効性、実効性を期待できる
だろうか?
その費用対効果も懐疑的だ。

パッケージ販売?
悪くない・・・が、「あなた」は開発のプロだが・・・「販売」のプロ
なのだろうか?
いきなり身の丈を飛び越えるわけにはいかないだろう。


こうして、
「上達」ぶりが見えるようになった。
さあ、新しい「明日」に立ち向かえ。
Go!-Go!-Go!


「あなた」が考えるアクションプランの一つとして
一例に過ぎないが、
実績と信頼関係のある既存の取引先(コアベンダー)を優先的に攻めよう
と考えているかもしれない:

そこで、二つのキーワード:
・キーワード1:「思慮深い営業活動」
・キーワード2:「顔の見える人財(技術者)」

この両輪がうまくかみ合った時、成約の確度がポンとあがる瞬間が
忽然と姿を現すことがある・・・そう忽然と。

「思慮深い営業」とは:
「あなた」が営業担当者であれば、日々必死の営業活動を通じて、
取引先の仕込み情報など、具体的な案件に結びつくようなネタ
をヒアリングしているにちがいない。

これらの仕込み情報は刻々と動き変化する・・・生き物のように。
そのために、「あなた」は継続的フォローを進めてきた・・・
ご苦労様。

え?「そんな情報は忘れたよ」ですって?
そうなら、直ちにメモった手帳を読み返してほしい。

「顔の見える技術者」とは:
これは発注側(コアベンダー側)が認知している技術者のこと。
「以前、ウチの現場で活躍してくれたA君なら、是非お願いしたい」
「そのA君をリーダにして3~4名の体制を組んでくれないか」
こうなればしめたものだ。

ここで注意事項:、
既存の取引先(コアベンダー)とのコンタクトにおいて、
「メールや電話一本で済まそう」なんてことは・・・原則禁止。

それで「あなた」の必死な思い、シナリオ、緊迫感は相手に伝わるのか?
相手は胸の内にある大事な案件情報を電話回線を通じて開示する
だろうか・・・否。


それでも、
営業担当者に依存するだけでは、やはり現状打破に向けて困難を極める
だろう。
そう・・・総力戦で難局を乗り越えるしかないのだ。

まさか、
経営者である「あなた」は、エアコンの効いた社長室にこもって:

・「ウチの営業は力がないから困るよ」なんて嘆いたり、
・「早く、待機技術者の仕事を見つけて来い!」なんて怒鳴り散ら
しているんじゃないでしょうね。

これは最悪のパターンだ。
今や経営者こそが率先して手本を見せるときだ。
営業担当者への叱咤激励ではなく・・・具体的で前向きなアドバイス
こそ求められる。

そして・・・
自ら髪を振り乱し、飛び回って欲しいのだ。


上記に加え、
即効性を期待できるかもしれない・・・一つのキーワードがある。
それは・・・「紹介」。

トップ(経営者)の人的ネットワークからの「紹介」
営業担当者の営業ルートからの「紹介」
中核技術者の現場リーダクラス、マネジメントからの「紹介」
など・・・・・・


個人的な事例で恐縮だが:

某システム企業のS顧問「今、お土産(案件)はないよ。だけど・・」
「オタクと共通する技術分野に強い会社のキーマンを紹介しようか?」

S顧問は携帯電話を取り出し・・・いきなり、その場で2名のキーマン
に電話をしてくれたのだ・・・感謝。

・この「紹介」の結果は・・・・・・2件の成約。
・それは・・・・・・・・・・・・・つい2ヶ月前の出来事。
この即効性、実効性は・・・「すごい」・・・個人的な実感だ。


上記はほんの一例にすぎない。

いよいよ、「あなた」がアクションを起こす番だ。
裂けて飛び散った「あなた」の心の欠片を拾い集めて、復元できるのは
・・・「あなた」自身だ。


Think-Think-Think &
Go!-Go!-Go!

(完)