ソフトウエア開発業界への参入障壁が比較的低かったこともあり、
「ソフトハウス」が乱立することになった。

《このブログにて表記される「ソフトハウス」とは、ソフトウエア開発を主たる
業務とする小規模な企業をいう》

それも、
この業界の人材市場がバランスしている間はよかったが、
今や、様変わりしてしまった・・・急速に。

ここで、
IT業界における顕著な現象について、二つ目をお伝えする。

【現象2】デフレの浸透:
「あなた」の収入は下降線上にある・・・あるいはその瀬戸際かも。
人材の需給バランスがエビツとなり、
発注側から提示される予算額は氷のように冷たい。

さらに、
オフショア開発における品質の歩留まり~バラツキはあるとしても~
が改善の兆しをみせはじめると、
それは、今や大型案件のなかでは当たり前であるかのように定位置を
占める。

プログラマーで満杯の日本丸はやがて座礁してしまう兆候なのか・・・
・・・所謂、空洞化だ。

そのことは、
遅かれ早かれ「資金繰り」を脅かす。
*【現象1】=>http://ameblo.jp/aspatony/theme-10027979203.html


「ソフトハウス」ビジネスとは、自前の技術者をSES契約(請負契約)
のもとで、上流企業(上位の取引先)に対して人材サービス(開発サービス)
を提供するシンプルなモデルだ。

《所謂「偽装請負」という言葉が脳裏をよぎるが、このテーマは別の機会
に譲りたい》

それは「リスク」が小さく、「安定」感のあるビジネスモデル・・・・
・・・「楽勝だ」・・・と考えられてきた。

辛口で表現するなら:
「リスク」を上流企業に転嫁している
とも言えるのだが・・・

「ソフトハウス」の経営者:

「リスクをとらないビジネスのどこが悪いのか」
「ウチはそれでもいいんだよ」
「それで飯食ってんだ!」

なんて反発がでそうだが・・・
良い悪いの問題ではないのだ。

「リスク」をとらないオペレーションは「同質化」を促し、
どうしても過当競争を引き起こしてしまう。

がら~んとしたオフィス。
社歴約20年の某ソフトハウスのS社長は
「これからどのような会社にしようとお考えですか?」という問いかけに
即座に口角泡を飛ばす勢いで:

「オレにもわからないよ!」
「こんなことしていたら、どうしょうもない!」

そこで、
毎日、夜も眠れない「ソフトハウス」の経営者である「あなた」に、
あるいはIT技術者である「あなた」に向けて、
幾つかのメッセージを送りたい・・・

釈迦に説法だが・・・
毎日、同じようなことを繰り返し「積み重ね」ていると・・・
何ごとも「上達」するものだ。

「あなた」は毎年こつこつと類似のオペレーションを「積み重ね」
てきた・・・

そこで、
「あなた」の会社の「上達」ぶりとは何なのか?

例えば:

・太い営業パイプが醸成され、優良な取引先から信頼を得られるように
 なっている。
・得意分野がカタチとなり、近い将来、ドメイン化(事業化)に手が
 届きそうだ。
・特定の業務ノウハウや技術力が蓄積され、リーダクラスも育っている。
・上流のピンポイント人材さえ確保できれば、ジグゾーパズルの最後の
 ワンピースがピタリとはまりそうだ。

などなど・・・
・・・think・・・think・・・think!

今、ここでちょっと立ち止まり、
今日まで「積み重ね」で得た「実績」と「現有資産」について
冷徹な目で見つめ直す良い機会ではないか。

もはや、
「あなた」(経営者)一人の叡智だけでは事足りないかもしれない。

この際、ただちに、
中核のIT技術者に集合をかけ、テーマを決めて徹底的に論議し、
一気に短期的かつ具体的な方向付けを行うのも良いだろう。


「積み重ね」と「上達」ぶりの延長線上に・・・
きっと「何か」見えてくるものがある・・・


「あなた」は特効薬なりビッグジャンプを求めるだろうが、
そのような都合の良いものなどあるのだろうか?
・・・疑問だ。


『神はみずから運命を伐り拓こうとするものを助ける』
というなら・・・やるしかない。

「冗談じゃない。倒れてなるものか!」


「ソフトハウス」は「生き抜かなければならない」

何か・・・手だてはないのか・・・(続く)