小池百合子都知事が通常の基準・手続きを経てカイロ大学を卒業したのではないことは間違いないだろう。


あの性格からして、もしほんとうに卒業していれば、満面の笑みで卒業証書を誇らしげに抱えた卒業式の記念写真をとっくにひけらかしていそうなものだ。


ただ、あと付けの名誉学士であろうと、大学自身が(なぜか英語で)彼女の卒業を証明している以上、公職選挙法違反の罪に問うのはむずかしいだろう。


そんなことより、この8年間で、実現困難な課題を何一つ成し遂げていない、というより、取り組んでいないことの方が問題ではないか。


もし次の選挙に出るのであれば、選挙公報には、カイロ大学首席卒業する経歴のヨコに、前回選挙の公約を再掲してみたらいい。


これまでの実績はと言えば、民間に委ねればいいような仕事のよこどり、文句のつけにくいバラマキ、何の成果もない一過性の事業ばかりだ。そして、ここのところ、選挙に向けてか、その傾向に拍車がかかっている。


こうした本質的な問題が、学歴詐称疑惑の陰に隠れてしまって、仮に高卒でもよくがんばっているからいいじゃないか、という風潮がうまれているとしたら、むしろ知事の思うツボなのかもしれない。


それにしても都庁は、中村倫治副知事もいつの間にか学歴を名古屋大学法学部卒業から学部研究生修了(=高卒)に訂正しているし、職員はいわゆるMARCH出身者が幅を利かせているし、微妙な組織であることにはちがいない。