『四世 鶴屋南北作
通し狂言 霊験亀山鉾 亀山の仇討
四幕九場
序幕 甲州石和宿棒鼻の場より
大詰 勢州亀山祭敵討の場まで』
歌舞伎座は2回目
前回はSWのイベント目的で日帰りで来た時、一幕見席で観ました。
関西の歌舞伎の劇場にはない一幕見席という制度、良いですね〜
全部観る時間がなくても1番観たい演目がサクッとお安く観れるので初心者にも最適
なので歌舞伎座で、事前にチケットを購入して観るのは初めてです
登場人物が多いので理解出来る様にイヤホンガイドもお借りして観賞しました!
感想は来て良かった〜
凄く良くて引き込まれました
仁左衛門さんは、藤田水右衛門/隠亡の八郎兵衛の二役を完璧に演じ分けられてました
水右衛門が極悪非道で、すっごい悪人!
(あらすじ)
水右衛門に兄を闇討ちされた石井兵介の仇討ちの際、検分役の代官である掛塚官兵衛(鴈治郎さん)と結託して水盃に毒を仕込むという卑怯な手口で兵介を斬ります
鴈治郎さん演じる官兵衛も悪代官だったんです
そして、兵介の無念を晴らすべく石井家の養子の源之丞(芝翫さん)が仇討ちをする事に。
隠し妻のお松(孝太郎さん)と子供と名残を惜しみながら仇を探す為に旅立ちます。
その後、源之丞は水右衛門探索の為に弥兵衛と偽名を使い水右衛門と関係があると思われる揚屋の丹波屋の養子分となってます。
そして何故か源之丞は、丹波屋のおつま(雀右衛門さん)と深い仲になっていて、おつまは源之丞の子を身籠っています
(現代の感覚なら、おいおい!ですよね)
しかも源之丞の為に八兵衛を水右衛門と勘違いしたおつまは、探りを入れ源之丞の役に立とうと八郎兵衛の身請け話を受けると見せかけて源之丞に愛想つかしをします
そんな健気なおつまなのに、裏切られたと勘違いした源之丞はおつまを殺そうとします!
(いやもう!おいおい!どころじゃない
自分も妻子がいるのに、これが普通の事と書かれる昔の常識が怖い!仇討ちの為に潜り込んで何をしているのやら)
結局、誤解はとけておつまの情報により水右衛門を追って石井の若党の金六とともに安部川原に向います。
でもこれは弥兵衛が源之丞と勘付いた官兵衛の罠!
源之丞達は返り討ちにあいます
そこに都合良く通りかかった石井の元下部の袖介に金六は事の次第を語ってから息絶えます。
源之丞の形見となった大小の刀を金六が手に入れたかと思いや、
水右衛門が窺い出て、さらに伊勢亀山藩重臣の頼母、おりき、おつまも出てきて闇の中、5人が探り合います。(面白い)
そして刀のひとつの仁王三郎の脇差しはおつまの手へ渡ります。
その後、源之丞の一件が噂となり水右衛門の身柄を隠そうと、丹波屋の女将おりき(吉弥さん)は棺桶に水右衛門を隠して運ばせます。
棺桶を運ぶ途中で焼場に向かう別の棺桶と会い、アクシデントで棺桶が入れ替わります!
焼場に着いた棺桶が源之丞と思っているおつまが供養していると、八兵衛か現れ水右衛門の一味と明かし、おつまと揉み合い争いとなり、なんとかおつまが仁王三郎で八兵衛を斬り、八兵衛は井戸へ落ちて息絶えます
そこへ棺桶の取替えに気づいたおりきが駆けつけて女同士の争いに!
ここでもおつまが討ちます!
(おつま!いいぞー)
しかし棺桶から水右衛門がバーンと現れ、挑み掛かるおつまから脇差しを奪い、お腹の子諸共おつまを斬ってしまいます
そしてこれまで手に掛けた石井の人々を指で折って数え、不適に笑います
この場面が印象的!冷血だけど美しい
極悪非道な人物なんだけど魅力的でもあるんですよね〜
これぞ色悪!眼福
妖しいオーラが凄くて感心しました
こんなにぴったりな仁左衛門さんの水右衛門が見納めとは残念すぎる
そして三幕目では源之丞の妻お松が仇討ち失敗を知ります。
幼い息子源次郎(種太郎さん)は人の肝の生き血を飲むと治る難病持ちで、仇討ちを望む姑の貞林尼(東蔵さん)が自ら肝に懐剣を突き立て孫に血を飲ませて息絶えます
(何その設定?)
健康になった源次郎とお松達によって、念願の仇討ちを遂げることが出来ます
可愛くて勇ましくもあるお松を演じるのは孝太郎さん!
この演目で悪役以外で魅力的なのは、おつまやお松といった一途で強い女性陣だなと思いました
最後の場面で千之助さんも出ていたので親子3代共演がまた嬉しかったですね〜
大満足でした
第二部は中村富十郎さん13回忌追善狂言「船弁慶」で息子の鷹之資さんが静御前/平知盛の霊を演じるので、こちらも観てみたかったな
鷹之資さんは以前、操り三番叟を演じているのを観てから応援している若手俳優さんの1人です
第一部は三人吉三で、お嬢:七之助さん、お坊:愛之助さん、和尚:松緑さん、こちらも観たかったんですよね〜
愛之助さんのお坊と七之助さんのお嬢
松竹座か南座だったら全部観るんだけど、他にも行きたい所があり時間に限りがあったので諦めました!
歌舞伎座の内部に、故人の役者さんのお写真が飾っていました。
秀太郎さん、藤十郎さんなど上方に住む私的に馴染みのある役者さんや、つい最近の訃報のイメージの中村吉右衛門さんや、懐かしい方など並んでました。
歌舞伎歴が浅いのであまり前の方は勉強不足もあり存じ上げないけども、歌舞伎役者さんは名前を継承していくので、この方が○世なのかと興味深く見させて頂きました
歌舞伎座横の歌舞伎稲荷神社をよく見るとお狐様の三人吉三が!
かわいい〜
それではまた