今日のNHK「ニューズウオッチ9」。大阪の若い夫婦の3歳のお子さんが衰弱死した報道。腸の中にアルミやロウが検出され、空腹を紛らわすために食べていたのではないかという警察関係者のコメントが報じられました。
この報道の最後に大越キャスターが、「子供は親を選べません」と述べ、親の責任についてさらっと言及しました。そこで私は「?」。この大越キャスターのごく普通のコメントに、大方の視聴者は無造作にうなづいたかもしれません。
「子供は親を選べません」。しかし、これは真実なのでしょうか?この考え方は、キリスト教的な価値観ではないのか?仏教的に言えば、言い換えれば、輪廻転生的に見れば、この考え方は、間逆になります。「魂」は生まれ変わるときに、自らのあるべき課題にハードルを設けるのだと。
私が敬愛するミュージシャンの八神純子さんのアルバム「Here I am」に収録された「さくら証書」で八神さんは次のように唄います。
生まれてくる時 子供たちは皆 父と母を選ぶのだと いつか教えられた
それが本当なら わたしたちのこと 選んで生まれてきてくれたことに”ありがとう”
大越キャスターの「子供は親を選べません」と、八神純子さんの「生まれてくる時 子供たちは皆 父と母を選ぶ」のだという考え方。どちらとも実証が困難なことなので天秤にはかけられないことです。しかし、報道番組としてのキャスターが「子供は親を選べません」と断言するその根拠、ミュージシャンが「生まれてくる時 子供たちは皆 父と母を選ぶ」と謳うメッセージには、そのメッセージの度合いは異なります。
かつてソクラテスは「無知の知」と唱えました。その意味で、大越さんはご自分の「価値観」を当然のこととしてコメントしたのだと思いますが、その根拠はいかにも流動的なものだと知るべきです。
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