先日、「ガイヤの夜明け」の再放送で「夢のみずうみ村」のことを知りました。「バリアアリー」、「引き算の介護」という耳なじみのない手法でデイサービスを提供する施設。代表は、長年作業療法士として介護実務にあたってきた藤原茂さん。その「夢のみずうみ村」では・・・
利用者自身が料理を行なうなどプログラムを決めることができる。選べるプログラムは200種類以上あり、プログラムを終えると利用者は施設内で使える通貨「YUME(ユーメ)」を職員に支払う。
逆に自らが掲げたリハビリを達成したり、施設内で行われるゲーム大会などで逆に通貨を稼ぐこともできる。また施設内は転倒防止用の手すりがなく、ちょっとした段差があるなど藤原茂代表は社会の様々な状況下でも動けるといったことを利用者に求めている。
施設側は万一の事故の備え、最高で1億円の保険に加入。このような仕組みで、一般の施設での要介護認定3の改善率が全国平均で11.5%であるのに対し、夢のみずうみ村では77%にのぼるそう。なんと7倍の改善率。
しかしながら、改善率が高まれば、施設への報酬は減るという矛盾が藤原さんを悩ませます。おそらく厚労省には利用者が改善することなど全く想定外だったのでしょう。詳しいことは調べ切れませんでしが、各段階における支給限度額は次の通り。自己負担は10%。
要介護1……支給限度額:166,920円/月
要介護2……支給限度額:196,160円/月
要介護3……支給限度額:269,310円/月
要介護4……支給限度額:308,060円/月
要介護5……支給限度額:360,650円/月
通常、支給については単位で示され、1単位 あたりの単価は10円ですが、1単位 をいくらにするかは、地域ごとに、またサービスの種類によって決められ、住んでいる場所や利用したサービスにより、実際に支払う金額は変わってくるそう。
介護の本質とは何か?を考えれば、健常的でない身体に対していかに尊厳を保ちつつ余生を終わってもらえるか、という側面と、現況からいかなる回復を目指すかとう側面があると思いますが、介護事業者に対して後者の視点はほとんど考慮されていなかったように思えます。
これには社会保障の問題と医療の問題が絡み合って、一筋縄ではいかないこともあるのでしょうが、「夢のみずうみ村」のような施設には何らかのインセンティブがあってしかるべしですし、そうでなければこの事業に取り組む健全なアントレプレナーが出てくるはずはありません。
<夢のみずうみ村
>
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A6%81%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E8%AA%8D%E5%AE%9A
http://www.tmnf.net/kourei9.html
<第7回 特別養護老人ホームの経営状況 - WAM NET(ワムネット)
>
http://www.wam.go.jp/wamappl/db34keiei.nsf/vColumn/70A9D788D40B9B59492579E20007FE6A?OpenDocument
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