東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の森喜朗元首相が20日、福岡市での講演で、ソチ五輪・フィギュアスケート女子ショートプログラム(SP)で16位だった浅田真央選手を「見事にひっくり返った。あの子、大事なときには必ず転ぶ」と評し、フィギュア団体については「負けると分かっていた。浅田選手を出して恥をかかせることはなかった」と述べた件。


「日本体育協会名誉会長でもあり、スポーツ界に一定の影響力を持つ森氏の発言に対し浅田選手の地元・愛知県やインターネットなどで、反発や批判の声が上がって」います。森氏はこれまでも首相当時を含め、その発言がメディアによって全体の中から恣意的に切り取られ、国民の反発をかったこと、しばしば。


今回の講演では、次のような発言があったことも報じられています。


浅田選手が団体でトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させれば、アイスダンスの劣勢を盛り返し、銅メダルを獲得できるとの期待が日本チームにあったとの見方を強調。「(団体戦で)転んだ心の傷が残っているから(SPで)転んではいけないとの気持ちが強く出たのだろう」との同情も示した。(共同)



浅田真央

確かに、フィギュア団体戦出場10カ国のランキングで日本は4位。メディアはフィギュア個人ばかりを注目し、他国に対するペア、アイスダンスの劣勢を伝える冷静な評価は少なかった。また、キム・ヨナ選手が、自国が団体戦に出場できなかったことが自分にとって良かったと語ったように、浅田選手には大きな負担となったことは事実だろうと思います。


森氏が「あの子、大事なときには必ず転ぶ」と浅田選手を評したことも、決して単なる揶揄ではありません。しかしながら、2010 浅田選手 バンクーバーオリンピック で、1大会に女子最多の計3回のトリプルアクセルを成功させたことがギネス認定されている程、浅田選手は難度の高いジャンプにチャレンジし続けているのです。そのことに対する敬意が全く感じられません。


今の森氏は、日本ラグビーフットボール協会会長、日本体育協会名誉会長という名誉職ではなく、執行権限を持つ東京五輪・パラリンピック組織委員会会長。2012年のロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会会長は、同五輪招致委員会の委員長も務めていたセバスチャン・コー でした。コー氏自身が五輪中距離走 の金メダリストであるとともに、組織委の役員の約半分が元選手で構成されています。


前述の発言は、不遇のラガーマンではあったものの、オリンピックの何たるかを体感していない森氏ならではのものと思われます。森氏には今回の失言の責任を取って辞任してもらいたいと思います。後任には、日本オリンピック委員会 JOC)会長であり、ミュンヘンオリンピック モントリオールオリンピック 馬術 日本代表でもあった竹田恆和氏が適任であると思われます。


それにしても浅田選手のFP3位は立派でしたね。

写真は時事通信さんから拝借しました。








失言する人には理由(わけ)がある/福田 健



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