今日は、世界中のアルツハイマー病患者を助けた日本人として「世界を変える100人の日本人!」で取り上げられた杉本八郎さんを取り上げます。番組サイトでは次のように紹介されています。


杉本は、アルツハイマー病の進行を遅らせ、症状を改善させる治療薬「塩酸ドネペジル」を開発した。その功績から1997年“薬学のノーベル賞”ともいわれる英国ガリアン賞特別賞を受賞した。高校卒業後、製薬会社に入社した杉本は、新薬開発部門の一研究員として働いていた。


母が認知症になったことをきっかけに、当時治療薬がなかったアルツハイマー病の治療薬開発を始める。1000を超える化合物の合成、試験を繰り返しついに治療薬たりえる「塩酸ドネペジル」の開発に至る。その後「塩酸ドネペジル」は世界中でアルツハイマー治療薬として使用されるようになった。


製薬メーカー・エーザイ㈱の研究所長だった時に開発したその化合物は「アリセプト」という薬になり、世界91カ国で承認され、2000億円以上の売上げを記録し、同社の二枚看板の一つになっています。ただ、2010年に「アリセプト」の物質特許が米国で切れるらしく、その二枚看板の一つの売上が急減することが予想されているそうです。


「10時のちょっといい話」

http://www.1242.com/surprise/nikki2/main.php?did=2946


製薬ビジネスを考える - もりたもりをblog

http://blog.goo.ne.jp/yoshidayoshio_2008/e/ed25cc464ae11af93edaa7eb0e70e6cb


ビジネスとして見ると、この「アリセプト」の開発には15年の歳月と200億円の投資があったといいます。この数字を見て思い浮かんだのが、ジェームズ・キャメロン監督の1997年のあの「タイタニック」です。制作費2億ドル、全世界で183500万ドルの興行収入です。


薬と映画では、全く比較にもならないかもしれませんが、1人の人間の構想によって、そこに人が集り、投資がなされ、ビッグ・ビジネスになる。当然、そこに至るまでには並々ならぬ労苦があるんだと思います。必ず成功させるという信念と執念なくしては乗り越えられない数多くの壁に果敢に立ち向かったその姿。今の私に最も遠いものだと、ただ反省するのみです。

杉本八郎 (PDF)

http://www.s-coop.net/lifestage/backnumber/2004/2004_12/pdf/0412_06-07.pdf#search='塩酸ドネペジル 杉本八郎'



はみだしオヤジの起業・夢追いセレナーデ-杉本八郎

杉本八郎1942年生まれ。中央大学理工学部工業化学科卒。61年エーザイ入社。主任研究員、創薬第一研究所所長などを歴任。在職中にアリセプトを発明、認知症治療に光明を灯す。


03年同社定年退職後、京都大学大学院 薬学学研究科教授。05年からは中央大学理工学部客員教授も。薬学博士、名誉博士。日本薬学会、知的財産委員会、米国Neuroscience学会など多数に所属、理事、主査などに就任。


優れた功績により英国ガリアン賞特別賞、恩賜発明賞などを受賞。剣道の達人(錬士七段)であるとともに俳人でもある。
















塩酸ドネペジル - Wikipedia

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E9%85%B8%E3%83%89%E3%83%8D%E3%83%9A%E3%82%B8%E3%83%AB