その記事は、「捨て子の少女の死と、脱・格差社会のもと」というタイトルで次のような内容で始まります。
1996年11月の四川省の寒村。若い未婚の男性農夫が草むらに捨てられた女の子の赤ちゃんに気づきました。赤ちゃんを育てるのは、貧乏な彼にとって重い負担。そう考える彼は何回も赤ちゃんを抱き上げては下ろし、立ち去ってはまた戻りました。最後、彼は命が尽きそうな赤ちゃんに呟きました。
「私と同じ、貧しい食事を食べてもいいかい」と。
独身のまま1児の父親になった農夫は、粉ミルクを買うお金もないため、赤ちゃんはお粥で大きく育てられました。病気がちな体は心配の種でしたが、聡明で近所からとてもかわいがられたのは、お父さんの救いでした。
女の子は5歳になると、自ら進んで家事を手伝うようになりました。洗濯、炊飯、草刈りと、小さな体を一生懸命に動かして、お父さんを手伝いました。ほかの子と違ってお母さんがいない少女は、お父さんと2人で家をきり盛りしました・・・。
このコラムは、その後この「親子」に訪れた哀しい現実を伝えます。詳しくは下記まで。
「NBonline」http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070122/117394/?P=1
執筆者は、ソフトブレーンマネージメント・アドバイザーの宋文洲さん。[宋文洲の傍目八目 ]というコラムの1月25日付の記事でした。紹介された話は、宗さんが中国で旅している間に偶然に耳にしたものだそうです。この話は中国全土に一気に広がったそうです。
掲載記事アクセスランキングの2位以下を見ますと、次のようになっています。「壊れた中国
」、「au新料金に総務省が激怒
」、「0円でも売れない(携帯)」
、「口に入れるのは食べ物だけじゃない危ない中国製『割り箸』」
、「『キャリアアップをしたい』は“建前”社員が辞める本当の理由
」・・・・。
2位以下は、中国、携帯、組織といういかにもという話題です。この話も中国の話ですが、場所が中国だからアクセスが多かったとは思えません。広がる格差の中で効し難い現実に埋没するやりきれなさが共感を得られたのではないでしょうか?
宋文洲;1963年6月中国山東省生まれ。84年中国・東北大学を卒業後、日本に国費留学する。90年北海道大学大学院工学研究科を修了。天安門事件で帰国を断念し、日本で就職したが、勤務先が倒産。92年ソフト販売会社のソフトブレーンを創業し、代表取締役社長に就任、99年2月代表取締役会長に。2000年12月に東証マザーズ上場、2005年6月に東証1部上場を果たす。2006年1月代表権を返上し取締役会長に、同年8月31日、「もう1人の社長」「陰の実力者にならない」として、取締役会長を辞任し、マネージメント・アドバイザーに就任する。(写真:川口 愛)