企業や団体にいるとその組織内しか通用しないルールがときに社会的規範に反するケースがあります。基本的にトップが及ぼしその後組織風土になった場合は致命的です。これが集団心理のもたらす弊害の部分ですね。これはメディアが誘導し、国民の世論、ムードを形成したりします。



集団心理とは、「社会心理学 の用語で、その社会 の構成員である集団 が、合理的に是非を判断しないまま、特定の時流に流される事を指す。時流に乗るよう働きかけても抗う者は排除される(斉一性の原理 )が、冷静になって考えれば、反省する場合が多い。集団心理の起源は、敵が出現した時の団結本能だとされる。一般に、 が確立されていない社会や、精神的に未成熟な子ども にはこの傾向が強い」。(ウィキペディア)



今日はその集団の行動として、「タビネズミ」と「山羊」という二つの動物の行動形態を取り上げます。前者は「集団自殺」という組織壊滅に陥り、後者は組織防衛という「献身」に形なると思います。



まず、「タビネズミ」から。「レミングの集団自殺」と呼ばれる群集心理があります。これには、ウィキペディア次のような解説があります。



動物の集団自殺としては、レミング(ねずみ)の集団自殺が有名であり、ディズニー製作の映画「白い荒野」では集団を賄うだけの餌が得られずに、本能による個体数調整や地磁気 の影響によるものと説明されている。これに対し、集団自殺に見える行為は餌場を求めて移動中の群れが進路を誤り、後続のレミングから押し出され海に落ちただけであり、意図的に集団自殺をするように見せかけた可能性が示唆されている。(ディズニーの撮影スタッフが、演出のためにレミングを海に投げ入れていたという証言もあり、レミングの集団自殺に関する実証は何も無い)


*ディズニー製作の映画「白い荒野」(http://www.youtube.com/watch?v=xMZlr5Gf9y )


これら集団で死に至る原因に対する学説はさまざまであり、詳しいことは分かっていない。一説には個体数が増加した群れが新たな餌場を求め移動し、レミングの別名タビネズミの名前の通りに旅の途中の障害によって結果的に個体数が減り、新たな餌場に定着した後、餌の豊作等により爆発的に個体数が増え、次の餌場に旅をすることを繰り返している、とされている。



日本国内の沿岸部でクジラ の群れが砂浜に乗り上げ、死ぬ原因についても地磁気によるものと解説されることが多いが、湾岸部に迷いこみ進路を誤って乗り上げたとされる説もある。なお、レミングの集団自殺をモデルとしてレミングス というコンピュータゲームが作られた。



真偽は疑わしいものですが、ともあれウォールストリートでは、取引所やオークションでの値の吊り上げとそれに向かう参加者たちを「群れとともに投資する」と呼んでいるそうです。また、ウォールストリート製の格言に「時代の流れはあなたの友である」があるそうです。意味は、「考えなくていい、群れについて行け」。



次に、「山羊」。「気絶するヤギ」、テレビでご覧になった方もあるでしょう。まずは、「ひつじnews 」から記事を引用します。




彼らは実際のところ気絶しているのではないので、「気絶ヤギ」という名前は少し誤解をまねく。このヤギ達は、筋肉をリラックスさせることに関与する遺伝子に問題を有していて、彼らは驚かされると、筋肉が硬直し、倒れることもある。だから、「気絶ヤギ」と名付けられた。正確にはぎょっとしたり、驚いたりすると、筋肉が硬直してしまい、足を突っ張った姿勢で棒立ちになったり、倒れ込んでしまうので、筋緊張症(Myotonia:ミオトニー)と呼ばれている。この症状で、ヤギが怪我をすることはなく、1015秒続いた後、自然にもとに戻る。年上のヤギはフェンスまたは納屋の壁にもたれるのがうまいので、若いヤギほどあまり筋緊張症を示さない。 



このヤギは、主に肉用に使われてきた。一方で、彼らは羊をコヨーテから保護する達人でもあった。羊の群れの中に「気絶ヤギ」がいれば、コヨーテや犬が羊を脅した時も、気絶ヤギが先に倒れて食べられている間に、羊は逃げることができる。これらのヤギは1980年代までに絶滅に瀕していたが、今では、交配を繰り返し、その危機を脱した。



彼らは、米国のある地域では「神経質ヤギ(Nervous goats)」として、そしてテキサスでは「硬直脚のヤギ(Stiff-legged goats)」として知られている。「木の脚ヤギ(Wooden Leg goats)」「テネシー・パニック・ヤギ(Tennessee Scare Goats)」という呼び方もある。


「驚かされると倒れてしまう山羊」(http://www.hitsuzi.jp/news/2005/06/194sheep.html )


このヤギの習性は学術的に認められているようですが、まさに山羊の長い集団防衛本能がDANに焼き付けられた結果です。人間にこうした習性はありませんが、ときに組織を守るための自殺という負の行動であったり、最近では正の行動として見られる「内部告発」という形も違った意味で「ミオトニー」の一種かもしれません。奇しくも「ミオトニー」は「身を賭に・・」とも書けたりして、思わず「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」の故事成語が頭を過ぎります。


*参考;10/13付け記事「日本人が大切にした処世観、『身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ』」