「『若いうちならフリーターも悪くない』」と考える新入社員の割合が3割を下回り、過去最低になったことが25日、社会経済生産性本部の意識調査でわかった。企業がバブル期を上回る新卒の積極採用に転じるなかで、若者の正社員志向も強まっているといえそうだ」。(asahi.com)


昨日は多くの新入社員にとって初任給が支給された日ですね。そんな彼らの志向が正社員、安定性に傾きつつある、終身雇用への回帰というのが上記の記事です。企業サイドの新卒採用もバブル期を越えるという側面があります。

どの企業も「いい人材(財)」を採用したいと考えています。しかしながら「いい人材(財)」とはどんな人かと問えば企業にとって多種多様なようですが、「明るい、やる気がある、素直」などと画一した人材像をあげる企業も少なくありません。とどのつまり、企業にとっては「しっかり仕事をやってくれる人材、業績をあげてくれる人材」という抽象論に納まってしまいます。

「いい人材(財)」は育てるものだと私は思っています。前職のオーナーは「いい人材(財)」というものはなく、仕事が出来る人材(財)は勝手に育つものだというのが持論でした。ビジネスの世界である以上、人はその仕事によって評価され、育つものであることに間違いはありません。しかしながら、その環境を整えるのは経営者の務めであることも間違いのないことです。

「パレートの法則」ということばがあります。「ビジネスにおいて、売上の8割は全顧客の2割が生み出している」、「商品の売上の8割は、全商品銘柄のうちの2割で生み出している」、「仕事の成果の8割は、費やした時間全体のうちの2割の時間で生み出している」などという現象で使われます。


これを社員に置き換えると、「売上の8割は、全従業員のうちの2割で生み出している」ということになります。野球ならば、巨人軍やNYヤンキーズ、サッカーならばレアル・マドリードが巨額のお金をつぎ込んだチームが勝てないというのもこの法則に則っているのでしょう。いわば中途採用でどんなに「いい人材(財)」を採用したところで、相対的な力は大きくならないということでしょうか?

こうした採用計画はチーム、組織としてもボトムアップに繋がるという側面はあるのかもしれません。しかし、ボトムアップならば新人を採用し育てることに意義があると思っています。企業には、勝てばいい、売れればいいということ以上に、そのチーム、組織がどのように仕事をしていくのかという風土が大切だからだと考えるからです。風土は簡単に築き上げられるものではありません。



新入社員


パレートの法則とは、「経済において、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているという説。80:20の法則、ばらつき の法則などと呼ばれることもあるが、本来は別のものである。イタリア の経済学者ヴィルフレド・パレート が発見した冪乗 法則である。経済以外にも自然現象や社会現象等様々な事例に当て嵌められることが多い」。


「ただし現代で言われるパレートの法則の多くは、法則と言うよりもいわゆる経験則のたぐいである。自然現象や社会現象は決して平均的ではなく、ばらつきや偏りが存在し、それを集約すると一部が全体に大きな影響を持っていることが多い、というごく当たり前の現象をパレートの法則の名を借りて補強している場合が少なくない」。(ウィキペディア)