「ハイリスク・ハイリターン」といえば、先物、ヘッジファンドと並んでベンチャー企業への投資もその一つです。昨日はこの「ハイリスク・ハイリターン」ということについてしばし考えました。ベンチャーキャピタルという仕事をしているにも関わらず、お客様にハイリターンを提供したいという気持ちが勝り、ハイリスクであることに自らが二の足を踏んでいることに気づきました。「ローリスク・ハイりーターンという商品は一般的にはありえません。


リクルート事件でこの「ローリスク・ハイリターン」の実態が社会的に大きな非難を受けました。しかし、当時までは未上場株を信頼の置ける方々に買っていただくということは当然のことでした。またこれは現在にもいえることです。リクルートが「信頼の置ける」と思った方々があまりにも政界、財界の次期有力者であり多岐に渡っていたことが非難の的でした。株式は企業にとって安定性が大切です。しかし、外国機関投資家や国内のデートレーダーなどの個人投資家によって安定性が脆弱になっています。


上場企業はIR活動などによって、適正な株価になるよう日夜努力しています。上場を目指すベンチャー企業はなおのことそれ以上に自社株に高値がつくことを目指します。それこそ、自らハイリスクを取り、懸命に業績アップを図ります。投資家にとってはそれが資金の提供、支援ということになります。このチャンスがこれまでは一部の方に限られていた訳です。この土壌の垣根をはずし、一般の方々にもチャンスを創ることが我々の仕事です。しかし、公募する形に出来ないのがジレンマでもあります。


ここでもう一度、「ハイリスク・ハイリターン」について考えてみます。


「まず、リターンという言葉は、報酬、見返り、といった意味の言葉ですが、一般に投資の世界で使われる場合には投資収益率(元本に対する収益の割合)を指します。ここでいう収益とは、単に売買損益(キャピタルゲイン)だけではなく配当(インカムゲイン)を含みます」。

「次に、リスクという言葉ですが、日常会話では危険、損失またはそれらの可能性といった意味で使われます。また、『責任』という意味で使われることもあります(特に会社で上司が使う場合は、大抵この意味でしょう)。しかし、投資の世界におけるリスクとは、『将来のリターンのバラツキ』つまり『将来のリターンの不確実性』であり、何らかの意志決定を行うために通常マイナスとして評価されるもので、一般には曖昧さのない数量的尺度として「リターンの標準偏差(または分散)」で表現されます」。(INFOSEEK)

特に未上場株については詐欺事件が多発し、それこそ「ハイリスク・ノーリターン」ということが起きています。投資が投棄であってはなりません。この「ハイリスク」ということをしっかり自覚を持ってお客様に十分ご理解を得られるように努めていきたいと思うのです。投資によってもたらされるものが高いリターンであるよう努めなくてはいけませんが、残念ながらノーリターンであることも十分考えられます。だからこそ、我々は「君に賭けるよ」と言われる信頼を構築しなければなりません。