出口の見えない彼女の不安定さにより、私は精神的にも肉体的にもかなりすり減っていた。正論を言ったところで正気じゃない相手には何の意味ももたないし、無駄に怒りを増長するだけ。誰にも相談する訳にもいかないし頼る相手もいない…なので正直麻衣の訪問はありがたかった。
なんとか会社に行けるようになり、仕事を終え自宅に戻ると麻衣とナオは仲良さそうにしており、それだけでもかなり安心する事が出来た。ただ私に対しては相変わらず敵対心のようなものが感じられる。何が原因なのか、原因も何もないのか、それはよく分からない。とにかくこうして第三者を挟む事で少し和らいでくれればいいのだが…
家に帰っても私は蚊帳の外といった感じであるが、別にそれはいいとして二人が仲良くしているのはいい事なのだが、何というかテンションが異常に高い。しかもナオよりも麻衣のほうがさらにテンションが高く、少し病的に感じてしまうほどだ…
しばらくしてナオが私の目つきが気に入らないという何とも意味不明な理由でキレだし、私もさすがにため息が出そうになった…すると麻衣が
「そうだお前が悪い‼︎」
とナオの援軍かのような発言をしてきて、後押しに押されてなのか、エスカレートし始め
「お前!殺すぞ!」
とキッチンにあった土鍋を私の頭をめがけて振りかざそうとしてきた…
もちろん簡単に制止する事は出来たが、ナオのその発言と行動が、越えてはいけない一線を越えたような気がして私の中でいままで張り詰めていたものが切れてしまった…
「いい加減にしろ‼︎」
珍しく声を荒げ、私はそのまま家を飛び出してしまった。
つづく
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