かわりゆく夢90 | 遊人 World

遊人 World

この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
(トラブル防止の為、二次使用禁止)

「ゆうにぃ、覚悟は いいよね?」

 

現在、宿の部屋に作った訓練用の異空間で たまごと約束通り1対1で向かい あっている。勝負する事を決めてから2ヶ月が たっていた。

 

「覚悟って?」

 

「ごめんなさい するのと、アイスの準備!!」

 

なぜ、謝る必要があるのだろうか?

 

「たまご、アイスは準備したよ。だけど、俺に勝てると思ってるのか?」

 

「当然!! だから、ゆうにぃが言い訳を出来ないように1対1じゃん!! あと勝ったら、いつまでも子供扱いしてる事を、ごめんなさいしてね」

 

なんか、条件が増えているんだけど・・・

 

「わかった!! 俺が勝ったらバケツ持たせて立たせるからな!!」

 

俺はコインを空中に投げ、刃を潰した訓練用の剣を構える。

 

「ゆうにぃ、泣かないようにね!!」

 

たまごも訓練用の大剣を構える。

 

コインが地面に落ちた瞬間、お互いの距離が縮み たまごが上段から斬り込んできた。俺は大剣の側面を剣で叩いて大剣の軌道をそらして避ける。今回は筋力強化などの魔法が使えないので馬鹿力の たまごとは真面(まとも)に打ち合わない。

 

「なんと!! ゆうにぃが、あまいちゃんみたいな真似を!!」

 

「魔法が禁止だから、こうなるよね?」

 

話ながら、たまごは斬り込んでくる。前までなら、ここで諦めていたけど向かって来るとは成長したな。まぁ、全部避けるんだけどね。

 

「なんで、当らないの!! こうなったら!!」

 

そう言い放って、大剣を連続で振り下ろしてきた。たまごさん、奥の手で行くよと言って しまっているぞ。

 

たまごの振り下ろした大剣から十字の飛ぶ斬撃(ざんげき)が放たれる。この飛ぶ斬撃、目には見えないのだが剣に気を纏(まと)わせて放つ技で、気を感じられる俺は避ける事が出来る。

 

「まだまだ、だな」

 

「なんで、当らないの? 引き籠りのゆうにぃが何で避けられるの?」

 

おいおい、いくら刃を潰した訓練用の大剣でも飛ぶ斬撃は当たったら切れるからね。

 

「訓練の成果だな」

 

俺は引き籠って魔方陣製作にハマっているが、弓術の訓練もしている。少し騙されたような気もするが、なーちゃんに気の使い方を教わってからは、ついでに剣術の訓練もちゃんと やっている。

 

「こうなったら!! 最後の大技だー」

 

そう言うと、たまごは大きく大剣を振り下ろして特大の飛ぶ斬撃を放ってきた。しかし、大きく振り下ろすと言う事は それだけ大きな隙(すき)が出来る事になるのだ。

 

その隙を利用して、俺の剣が たまごの体を斬った。正確には、剣で叩きつけたのだった。

 

 

つづく