某女物語6 | 遊人 World

遊人 World

この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
(トラブル防止の為、二次使用禁止)

結果から言うと、上手く抜け出す事には成功した。これで食事抜きは無くなったと思いたい・・・私は食いしん坊なのだ。

 

「少し思ったのだけれど、女性二人で大丈夫かしら?」

 

第5皇子の屋敷を出て、ナツに聞いてみた。

 

「路地裏など危険な場所に行かなければ、大丈夫ですよ」

 

優しくナツは答えてくれた。

 

人気(ひとけ)の少ない路地裏などは危ないけれど、基本的に都から出なければ安全らしい。

 

都は碁盤の目になっていて中央に内裏(だいり)があり、内裏には東西南北に門があって、東 青竜門 西 白虎門 南 朱雀門 北 玄武門と名称があり、門から真っ直ぐ都の外に向かう道を各門の名称で呼ぶ。青竜門から東に向かう道を青竜大路、朱雀門から南に向かう道を朱雀大路という感じだ。

 

条坊制で、東西を条・南北を坊で分ける。内裏を中心に外に向かうと数字が大きくなる。東西に走る青竜・白虎大路から北が、北一条大路~十条大路 南が、南一条大路~十条大路。南北に走る朱雀・玄武大路から東が、東一坊大路~十坊大路 西が、西一坊大路~十坊大路とある。中央に行くほど高貴な人が住む。

 

中央に内裏って・・・平安では無く、藤原? 飛鳥なの!? 困った世界だよ。

 

「じゃあ、イロイロまわって帰ろうよ。ハツお姉様に金貨1枚もらったし買い物にも行ってみたいな」

 

馬車で、お願いされた時に貰ったのだ。

 

「金貨を貰ったのですか!?」

 

金貨にナツが驚いていた。

 

銅銭100枚で銅貨1枚・銅貨100枚で銀貨1枚と、100枚単位で上の硬貨と交換で来て、金貨・白金貨・白金棒とある。銅貨1枚が100円・銀貨1枚が1万円の感覚だ。金貨1枚くれるとは、よほど機嫌がいいのだろう。

 

平行世界・・・なんでも来い!! もう、ビビらないぞ!!

 

「ではフチ様、両替商に行って買い物に行きましょうか? しかし買い物に行くと、帰路は遠回りになりますが?」

 

皇族は1条1坊の区間内、貴族は3条3坊までの区間内に住んでいて、買い物をする為には西か東の5条5坊区間に行かなければならない。五条家の屋敷も3条3坊区間内にある。

 

「いろいろ見たら記憶が戻るかもしれないからね」

 

「そうですね。記憶が戻るかもしれませんから行きましょう!!」

 

ナツ、記憶を失っていないから 少し心が痛いけど、売っている物や雰囲気を確認しておきたいので許してね。

 

五条家から近い、南の西市(にしのいち)に向かう事にした。

 

 

つづく