魔神の残留思念の愚痴を聞いたり、俺の事を話したりしていると自然と互いに仲良くなった。
「昔は、神と呼ばれたり魔神としか呼ばれて無かったからな。そうじゃ、力も空っぽ 心の恨みも話を聞いてもらって空っぽ だからカラッポと呼んでくれ」
頭も空っぽ だけどね。
「俺の名前はユウト、俺の自由にさせる・緊急時以外に勝手に体を動かさない・魔神の体が復活しても・・・」
契約の条件を述べる。この契約魔法は神ですら破る事は出来ないらしい。まぁ、破られて世界が滅んでも俺には どっちでも いいけどな。
「ではユウト、ここに契約する。わしを抜け」
朽ちかけた刀を抜く。
「おいおい、カラッポ! お前、軽いなー 本当に朽ちそうじゃん」
「まぁ、今の契約で魔力が尽きたからな。本当は残っていた魔力でお前の体を操(あやつ)って、魔物を倒すと同時に魔物の魔力を吸収してを繰り返してダンジョンの外に出ようと思っていたのだ。さてと、どうやって素人を鍛えようかな」
元魔神のカラッポが俺の体を動かせば倒せかもな。
「ダンジョンボスの部屋さえ抜けられたら何とかなると思うんだけどな」
手に持ったカラッポに言った。
「どういう事じゃ?」
「ほとんどの冒険者が俺の事を消耗品としか見ていなかったので、身を守る為に 人や魔物等の気配を感じたり、自分の気配を消し隠れる事は出来るから、上手く行けばダンジョンの外に出られると思うけど ダンジョンボスの部屋は特殊で気配を消せないからね」
「なるほど、なんとかボスに わしを当てる事が出来れば、いいと言う事じゃな。そうだ!! それ魔法の袋じゃろ? 食べ物以外に何か入っておらんのか?」
魔法の袋は魔力が無くても使えて、無限に物が入る。入れた物は時間が止まるので、腐ったりしない貴重なアイテムだ。貴重なアイテムでも俺が冒険者から逃げ切る事が出来ないので持たされていたのだ。
「ないよ。今回の冒険者は潔癖だったので、食べ物以外は袋に入っていないんだよ。他の物は そこら辺に散らばってるけど、傷薬以外の戦闘用の物は何に使うか わからないよ」
「じゃあ、わしに他の物を見せろ」
「他の物を見せろって、刀の何処に目がついてるの?」
「お前は馬鹿か? 刀を握っていれば、わしとお前は一心同体じゃ。お前が見ている物は、わしも見てると言う事じゃ」
カラッポが馬鹿だと思うのだが、ちゃんと説明しろよ。俺とカラッポの二人で ? 辺りを物色する事にした。
つづく