かわりゆく夢73 | 遊人 World

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この世界の物語はフィクション!! 気分で? 音楽・魚・植物等
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「ただいま・・・」

 

たまごの疲れきった声で、目が覚めた。どうやら、瞑想しながら寝てしまったようだ。

 

「あれ?  あまいは?」

 

「あまいちゃんは、冒険者組合で手続きを してから帰って来る・・・」

 

「一緒に行かなかったの?」

 

「あまいちゃんが、邪魔だから先に帰ってと・・・」

 

「喧嘩でもしたの?」

 

「してない。わたしが・・・わるいんだ」

 

半べそを かきながら、たまごが言った。

 

鼻タレたまごが言うには、迷い猫を匂いで探そうとすると ついつい食べ物の匂いに引っ張られたらしい。あまいが怒りだしたので、次は勘で探したのだが上手く行かなかったらしい。

 

「あまいは、どうやって探してたの?」

 

「わたしと同じで、匂いと 勘だったと・・・」

 

こいつら、世の中を なめきってるな。これだけ人が多い場所なのに匂いで見つかるはずもなく、土地勘も育ってないから勘で見つかるはずもない。まったく、親の顔が見てみたいものだ・・・

 

「まぁ、いいよ。あまいが帰ってきたら、元気に おかえり! と言ってやるんだな。それで、いつも通りになるよ」

 

「ゆうにぃ、ほんとに?」

 

「お前が いつも通りなら、あまいも いつも通りになるさ」

 

「うん!!」

 

元気が出たようだな。

 

「ただいま・・・」

 

疲れ切った あまいが帰ってきた。

 

「あまいちゃん、おかえりーーー」

 

「うん。あっ・・・たまごちゃん、ただいま。さっきは邪険(じゃけん)にして ごめんねー 疲れてたから、つい言っちゃった」

 

「じゃけんって? まぁ、いいや。私こそ、あまいちゃんの足を引っ張って ごめんねー 疲れてたのは一緒だよ」

 

仲直りして めでたし めでたし なのだが、たまごには後で邪険の意味を教えて おくとしよう。

 

「ってか、ゆう兄さんが手伝ってくれたら こんなに疲れなかったのにー」

 

「あまいちゃん、ほんとだよねー」

 

「ばっかもーーーん!! 甘えてないで風呂入ってこい」

 

「はーい」「けちっ」

 

この日は、疲れたのか髪を梳かしてる最中に二人共、眠ってしまった。

 

仕方が無いので、俺の寝床に二人を運んで寝る事にした。

 

 

つづく