「この辺りの事について教えてくれない?」
それとなく聞いてみる。
「ん? この辺り?」
「この辺りに来て、すぐに森に入ったので わからないんだよね。異変の状況がつかめるまで、この辺りに滞在しようと思うのだけれどイロイロ教えてくれると助かるんだけど」
「なるほど! では、今から向かう村はタダの村と言って・・・・」
長いので略すと、タダの村とはナギとナミと言う全ての神様の産みの親が夫婦仲良く住んでいるタダ大社の周辺の村だそうだ。滞在するなら、もう少し先のゲンネ町がいいらしい。
ゲンネ町とは猫系亜人の治める城の城下町だそうだ。元々、人族が城主を務めていたが、いつのまにか部下の猫系亜人が務めるようになったらしい。
「滞在するなら町の商業組合で身分証を発行してもらうといいよ。あと図書館もあるので詳しくは自分で調べるのもいいかもね」
隊長の話を聞いてるとタダの村に着いた。
「私達は村長に報告する為に、ここでお別れだ。ここから西に向かうと、すぐにゲンネ町に着くよ。そうそう、この書付を門番に見せれば中に入れてもらえるよ」
書付をもらい、隊長と別れの挨拶を交わして西に向かう。
ゲンネ町に向かう途中、タダの村の外れで切り株に座って 猫を撫でている おばあさんがいたので挨拶をして町に向かった。
ゲンネ町には、すぐに着いた。門番に書付を渡すと、すぐに通してもらえた上に商業組合の場所も教えてくれた。
街に入ると、たくさんの人で賑わっていた。
「すごーーーーい! たくさん人がいるねー あまいちゃーーーん」
「そうだね・・・たまごちゃん」
「どうしたの、あまいちゃん?」
「人が多い所は苦手かも・・・」
あまいは、少し人酔いをしたみたいだ。たまごの目はキラキラしている。少し前まで人を獲物だと思っていた事はツッコまないでおこう。
「ほら、あのお城に向かって行くと商業組合があるらしいから行くよ。迷子にならないようにね」
「はーい」「わかりました」
二人は、そう言って俺の服の端をつかんで ついてくる。こういう所は可愛いのだがと思いながら商業組合に向かうのだった。
つづく