「そう、だったんですかー」
うるさい2匹と俺・怪我人2人分の料理を作り朝飯を食べながら2匹から聞いた状況を説明していた。怪我人は落ち込んでいるが2匹はモリモリ朝飯を食べていた。
「君が助かっただけでも良かったんじゃない?」
「ほんとうですね。私は、する事が残っていたので助かりました。助けて頂いたお礼をしたい所なのですが、荷物が無いどころか服すら着ていない状況なので・・・」
「服は汚れているので洗ってから着た方がいいよ。まあ、それまで毛皮着ててね。荷物か・・・何処にあるか覚えてますか? それと、なぜこの森に?」
「かくかくしかじかなもので・・・」
「いやいや、それで通じるのは漫画の世界だけだし」
怪我人は面白い人物であった。
「はじめから話ますと、知り合いが難病にかかりまして治療に必要な植物を探しに来たのです。この森は三方を険しい山に囲まれていて南の森からしか入る事が出来ないんですが神聖な森と言われる神域に入るのは無理だと・・・」
要約すると、恩人を救う為に森に入ったが神域に入るのを拒む何らかの力によって迷っていたらしい。
「突然、目がくらむような眩しい光に包まれたと思ったら熊が2匹、突然現れて護衛の5人が1匹を倒したのですが・・・・・・気がついたら、ここにいました」
途中からの記憶は曖昧(あいまい)らしい。
「じゃあ、荷物は襲われた周辺にあるの?」
「たぶん、あると思います」
「たまご・あまい、行って取ってきてね」
「えーーーーーーー、とおーいし めんどくさーい」
たまごが言った。
「遠い? そんな遠くまで遊びに行ってるの?」
「何言ってるの たまごちゃん、結構近いでしょ?」
あまいが言った。
「怒らないから、ちゃんと死体以外 全部取ってきてね」
「はーい」「わかりました」
遠くに遊びに行っている事がばれた2匹は食事を終え荷物を取りに行った。基礎訓練は必要だが怪我人を裸のままにしておくのは可哀想なのでお休みだ。
2匹が出発した後、俺は怪我人の背中の傷を見ることにした。
つづく