「ごめんなさーい」
翌朝、油断した事を反省した たまごが謝ってきた。
「これからは気を付けるように、あと傷の手当てしてくれて助かったよ」
たまごと あまいの頭を撫でる。
「飯食ったら片づけるぞ」
「はーい」「わかりました」
いつもは食事をした後、訓練なのだが・・・それだけ拠点が荒れているという事だ。
「いたっ」
「だいじょうぶ?」
「たまごちゃん、大丈夫に決まってるよ」
我慢はしているが不意に出る言葉に たまごは心配している。あまいは たまごが気にしないように気を使っているようだった。
「いってきまーす」「いってきます」
「気をつけて、いってらー」
拠点が片付き昼飯を食べた2匹は各種の薬草を取りに行った。俺は自分の傷を治すべく傷薬を中心に薬を作っていた。
「失敗したな」
生きていく為に食べられる物・薬草の知識と、狩り・応急処置の方法は教えたが花嫁修業はさせていなかったので家の事が出来ない2匹に育ってしまった。人間用に作られた拠点なので2匹には使用するのが難しいと言う理由もあった。
「これは拠点の大改造だな・・・フゥー」
独り言を呟きながら拠点をどのように改造するか、料理・薬草の作り方をどう教えるべきか考えていると
「たっだいまー」「ただいま帰りました」
もう夕方らしい、大量の薬草を持って帰ってきた2匹を撫でてから夕飯を作る事にした。
「たくさん傷薬作れた?」
「ぼちぼちな」
「たまごちゃん専用の消化薬は?」
風呂から出てきた2匹と、たわいも無い話をしながら食事を終らせた。
「おやすみなさーい」「おやすみなさい」
「おう、おやすみ」
いつもなら毛並みを整えろと、うるさい2匹だったが傷を負ってる俺には言えず素直に寝るようだ。
俺も傷薬を塗って寝る事にした。
つづく