阿蘇のカルデラ大噴火は周辺に多くの絶景を作り上げていますが、蘇陽峡もそのひとつです。
外輪山南東部の伏流水を集めた清流、五ヶ瀬川が阿蘇溶結凝灰岩の台地を浸食して出来上がったのが蘇陽峡で、幅は200m~300m、深さは100m~200mの切り立った絶壁が約14kmにわたって続いており、「九州のグランドキャニオン」と呼ばれています。
紅葉の名所で知られている蘇陽峡ですが、2週間前に行ったときは残念ながらピークは過ぎていたようでした。
しかしながら、長崎鼻展望台からの眺望は圧巻で、「蘇陽」の名の由来となった「太陽が蘇るようなさま」というのが何となく分かるような気がしました。
峡谷というと、真っ先に思い浮かぶのが北アルプスの黒部峡谷です。
以前、立山に登ったときに、その峡谷とダム湖をのぞき込んだ思い出があります。
黒部峡谷はいわゆるV字峡谷ですが、蘇陽峡はU字峡谷と言われています。
「V」と「U」の違いは、形状の数値的なものに根拠があるわけではなく、おそらく見た目の感覚だと思いますが、確かに言われてみると蘇陽峡はU字型をしています。
U字型峡谷は一般的には川ではなくて、氷河が浸食したときに形成されるそうです。
昔ここに氷河があったとは思えないので、したがって、非常に珍しいタイプの峡谷だと言えます。
山都町までせっかく来たので、国宝に指定された「通潤橋」を見に行くことにしました。
通潤橋とは1854年(嘉永7年)に作られた石造アーチ水路橋です。
嘉永7年というと、ペリー黒船来航の翌年ということになります。
通潤橋は周囲から孤立した「白糸台地」を潤すために造られました。
以前、NHKのブラタモリでも紹介されましたが、阿蘇カルデラ大噴火によって出来た火砕流台地はやがて水によって浸食されます。
そして分断された、それぞれの台地を九州の独特な言い方で、「原(ばる)」と呼びます
阿蘇噴火の影響を受け、大分県や宮崎県でも「原」は見られるのですが、この「原」から「原」への移動、そして「原」は高台だけに水の確保が大変だったようです。
私が通潤橋を見に行ったときは、ちょうど放水を行っていました。
「放水カレンダー」を見ると、年間の放水日は意外に多く設けられており、実施日には13:00から15分間ほど放水が行われます。
夏場シーズンとは違って、やや水量が少ないような感じがしましたが、それでも充分に迫力があり、多くの観光客で賑わっていました。
お腹が空いてきたので、以前から気になっていた「おちかラーメン」に行きました。
「熊本ラーメン総選挙」で毎年、上位にランクされている「おちかラーメン」です。
お店は昭和レトロの雰囲気がいっぱいで、地元の人たちに長年愛されているというのが、言われるまでもなく伝わります。
親戚で「おちかラーメン」推しの人がいるのですが、私が「ちょっと塩っぱかった」と言うと、毎日少し味が変わるのだそうです。(笑)
その親戚の人が曰く「おそらく、その日はお女将さんがつくったのだろう」と。
お女将さんは「自分はラーメンより、うどんの方が好き」と言って憚らない変わった人です。(笑)
最近は豚骨ラーメンというと「ドロドロ系」が人気のようですが、私にとっては「おちかラーメン」のような昔ながらのさっぱり味の豚骨が好きです。
でも、スープという観点からすると、インスタントの「うまかっちゃん」が一番美味しいと感じるのは私だけでしょうか?
「うまかっちゃん」が発売開始されたのは47年前。
当時はインスタントで、本格的な豚骨ラーメンを再現した、この品質は衝撃的でした。
もし、スープの粉末レシピが発売当初から変わっていないのであれば、当時の九州豚骨ラーメンの平均的なスープの味が保存されていると言っても過言ではないと思います。
ちなみに私の推しラーメンは以下のとおりです。
・広島県の尾道ラーメン(豚の背脂を浮かべた醤油ベースの平打ち麺)
・東京都の八王子ラーメン(刻み玉ねぎがトッピングされている醤油ラーメン)
・埼玉県の深谷ネギ味噌ラーメン(関越道下りの寄居PAのラーメンが美味しい)
です。
あとは「幸楽苑」がオーソドックスな味で好きなのですが、九州を含め西日本には店舗が無いのは残念です。
最近は北九州出身の「資さんうどん」が東京に進出して人気のようですが、幸楽苑も九州に果敢にチャレンジしてもらいたいものです。





