今日は、広島県がレモン生産No1となった理由についてご紹介したいと思います。
日本のレモン生産1位を誇る広島県
レモンの世界的な産地といえば、イタリアとアメリカです。
なぜ日本では、広島県なのか!?
その理由には、環境的な要因と、歴史的な背景がありました。
温暖で安定した瀬戸内式気候
瀬戸内育ちの我々は、小学校の時に先生からこう習いました。
「瀬戸内式気候は、年間を通じて温暖で安定していて、ヨーロッパの地中海と同じなのよ」と。
子供心に、あの真っ青な海におしゃれな街並みが映える地中海と、
漁船がたくさん停泊していて、ビーチも少ない瀬戸内海が一緒?!
と、いぶかしんだものですが・・
(子供のころはヨーロッパを理想化しすぎてました(笑))
実際に体験授業では、農園に定番の芋と一緒に
「オリーブ」を植えて育てたりしておりました。
瀬戸内海式気候は、
■温暖
■年間を通じて降水量が少なく、乾燥しやすい
■北は中国山地、南は四国山地に遮られて強風が吹かない。
ことからイタリア、アメリカのカリフォルニアと近いんだそうです。
これらの国は、世界的なレモン産地ですね!
レモン栽培に必要な気候要件が瀬戸内気候にバッチリ
レモンの樹には鋭いトゲがあります。
強い風が吹くとそのトゲが実を傷つけ、病気を発生させてしまいます。
なので、台風が来るとアウト、強い風が吹かないことはレモン育成に必要な条件です。
そのほかにも「気温が-2度以下にならない事」が条件になります。
風には弱いレモンも「潮風には強い」ので、瀬戸内海の島々で育てるのに気候的にぴったりなのです。
国産レモンの歴史
レモンは、明治6(1873)年に外国人によってもたらされたと言われています。
その後、明治19(1886)年に和歌山、
明治31年(1898)年に広島県呉市(豊島)に伝わり、
本格的に栽培がスタートし、徐々に瀬戸内海を中心に栽培されました。
昭和2年には、瀬戸田に住む大谷清さんという方がレモンの商品価値を見出して
「一家に一本レモンの木を」と運動を始めました。
その甲斐あって瀬戸内海の島々で順調に栽培されていた国産レモン。
しかし、危機が訪れます。
昭和39年に「レモンの輸入自由化」が始まると、単価の安い輸入レモンに押されて
農家はせっかく育てたレモンの木々を、断腸の思いで伐採せざるをえず、生産量は激減してしまいました。
しかし輸入レモンは、輸送時のカビや病気を防ぐために防かび剤がかかっています。
その防かび剤の発がん性が指摘され、安全性に疑問を持たれるようになると
再び国産レモンが脚光を浴びるようになり、現在まで生産数が増えています。
いかがでしょうか?文字ばかり多い記事になってしまいましたが、
次回は現在の広島のレモン生産についてご紹介していきます。