京急電車の脱線現場では、車両の下から土砂をかきだすなど復旧作業が進められた=25日午前、神奈川県横須賀市追浜町(田中俊之撮影)(写真:産経新聞)
神奈川県横須賀市追浜(おっぱま)町の京浜急行追浜-京急田浦駅間で、崩れた土砂に特急電車が突っ込んで脱線した事故で、県警は25日、負傷者が計11人になったと明らかにした。
県警によると、乗客の30代男女3人が腰の骨を折るなど計5人が重傷、男性運転士(24)を含む6人が軽傷を負った。
また、脱線車両は先頭からの計4両だったことも県警の調べで分かった。
国土交通省の運輸安全委員会は鉄道事故調査官を現地に派遣、県警は実況見分して詳しい事故状況を調べている。
この事故の影響で、京急線は25日の始発から金沢八景-堀ノ内駅間で運転を見合わせた。
同社員らが線路上の泥をかき出すなどして復旧作業を進めている。
同社と同市消防局によると、現場は京急田浦駅から北へ約500メートルのトンネルの手前で、土砂は衝突時の衝撃で車内にも入り込んだ。
県警によると、運転士は「土砂崩れに気付いて急ブレーキをかけたが、間に合わなかった」と話している。
3両目に乗っていた会社員の細川亨さん(20)はドア付近に寄りかかって立っていたが、衝撃で3メートルほど飛ばされ、車両と車両の間の扉にぶつかった。
細川さんによると、座席の乗客はドミノ倒しとなり、車内は騒然となったという。
細川さんは「正面衝突したような衝撃だった。『バキ』『ガガガガ』という音も5秒くらい聞こえた」と当時の状況を語った。
一方、事故から一夜明け、土砂崩れの状況も徐々に明らかになった。
24日夜の大雨の影響で、電車の進行方向左側の山ののり面が崩落。
線路の上を土砂がおおい、樹木が電車に向かってすべり落ちるように倒れていた。
近所の住民によると、当時、崩れた部分では雨水が滝のように流れていたという。
現場の線路脇に住む主婦(61)は「雷のような大きな音がして地響きとともに家が大きく揺れた」。
近所の男性(45)は「テレビを見ていたら『ゴォー』っという大きな音が聞こえた。まさか脱線しているとは」と驚いた様子だった。
現場近くでは平成9年4月にも、京浜急行の電車が線路上に崩れた土砂に突っ込んで脱線し、19人がけがをする事故があった。