「これはヴェラスケスが徐々にペースを握って勝つのではないか。」

これがUFC on FOXのメインイベント、ヴェラスケスVSドスサントスの試合が始まっての攻防を観た時の印象でした。

得意のパンチで攻めるドスサントスに対して、ヴェラスケスも自身の持ち味である打撃で応戦。

時折ローキックや、タックルに入るアクションを見せるヴェラスケスの方が引き出しが多く、次第にドスサントスを削っていくのではないかと感じていました。

しかし、その瞬間は突然訪れました。

ヴェラスケスが左のジャブを放ったところで、ドスサントスの渾身の力を込めた右のオーバーフックが、ヴェラスケスのこめかみを捕らえました。

ヴェラスケスは前のめりに手をつきながら倒れ、ドスサントスの追撃にTKO負けを喫しました。

ドスサントスは右のオーバーフックをヴェラスケスの左ジャブに合わせたのか、ドスサントスが右のオーバーフックを放つのと同じタイミングでヴェラスケスが左のジャブを放ち、丁度タイミングよく右のオーバーフックが入ってしまったのかは定かではないのですが、久々にヘビー級における一発の怖さを痛感した瞬間でした。

長期政権を築くかと思われていたヴェラスケスが敗れ、ドスサントスがUFCヘビー級の新王者となりました。

年末には、アリスターVSレスナーの試合が予定されています。

この試合に関しては、アリスターの勝利を予想する声が多いようで、早くもアリスターVSドスサントスに関して言及する声も聞かれています。

ドスサントスもアリスターも、まだ底を見せていない未知数の部分が多いファイターです。アリスターは決して打たれ強いファイターではないので、ドスサントスの強打を全て凌ぎきれるのかが気になるところです。

アリスターはボクシングが巧い訳ではないので、少しでもドスサントスのパンチを貰ってしまうと、アリスターが厳しいような気がします。

今回、負けはしたものの、ヴェラスケスもまだ底を見せていないファイターです。

普段、表情を崩さないヴェラスケスが今回の試合後に見せた、悔しさをにじませる表情が非常に印象的でした。

ヴェラスケスは必ずまた這い上がってくることを、確信させるような表情でした。

ヴェラスケスがドスサントスにリベンジマッチを挑む日が来るのは、そう遠くはないような気がしています。