SRC12を会場観戦してきました。

両国国技館といえど、2009年11月の戦極に比べると小規模な設計になっていて、スタンド席以外はちらほら空席も目立ちました。小規模といっても、さいたまコミュニティアリーナよりは行きやすいので、見る側として有り難いのですが。

今回のSRC、何やかんやと言われていますが、大会の内容そのものは結構面白かったと思います。これといった一般の層まで知名度の浸透しているファイターの参戦がなかったのでインパクトに欠ける部分はありましたが、KO決着も多く、大会のテンポも悪くなかったと思います。

既に多くで聞かれている通り、孤軍奮闘と言いますか、今大会でインパクトを残したのはサンドロ選手と真騎士選手。寝技出身の選手でありながらサンドロ選手のパンチの重さは相変わらず脅威でした。判定には不満の声があったものの、サンドロ選手と打ち合って判定勝ちを収めた小見川選手はやはり凄かったと思いました。真騎士選手も言われている通り、粗いものの、それを補うのに十分な勢いを見せてくれました。今後、寝技や極めの強い選手と対戦するときに真騎士選手の進化が問われると思います。それらの壁を越えたときに、真騎士選手は本当に手のつけられない世界に誇るライト級のファイターになるかもしれません。

サンチアゴ選手VSハリドウ選手のミドル級タイトルマッチも良い試合だったと思います。ハリドウ選手の経験不足やスタミナ切れを指摘する声も挙がっていますが、最後まで気持ちを切らさずによく戦い抜いたと思います。SRCではサンチアゴ選手を相手に判定までいったミドル級の選手は今回のハリドウ選手が初めてです。ハリドウ選手は強豪だと言っても良いと思います。


挨拶で登場したSRCフェザー級王者の金原選手はサンドロ選手へと自ら対戦を申し出ました。やはり今後のネタがないのか、こういったタイトル戦はスムーズに決まることは多くはのですが、金原選手VSサンドロ選手があっさり決まるような形になりました。サンドロ選手を躊躇なく挑戦者へと指名した金原選手は立派だと思いました。

挨拶ではライト級王者の廣田選手も登場し、タイトルの返上と今年の大晦日での青木真也選手への挑戦を表明しました。タイトル返上という決断には廣田選手の潔さと、SRC王者としての誇りを感じました。ただ今年の大晦日に青木選手と試合をするのは困難かもしれません。復帰予定は9月なので、大晦日までに一試合しかこなせない計算になります。青木選手への挑戦権を得るのであれば、よっぽどのビッグネームから相当インパクトのある勝ち方をしなければなりません。そもそも青木選手が乗り気ではないような気がします。敢えて希望が残っているとすれば、FEGの谷川氏が言っていた「年に1-2回のペースで交流戦を行っていきたい。」という部分でしょうか。廣田選手の復帰戦で、その交流戦が実現し、そこで川尻選手との対戦でも実現すれば、大晦日の青木選手へのリベンジマッチもまんざら可能性が0というわけでもなさそうです。仮に廣田選手が川尻選手を壮絶なKOで葬り、「青木選手、対戦を熱望していた川尻選手は僕がやっつけちゃったんで、大晦日は僕と再戦しませんか。」となるのが、極わずかな希望の光でしょうか。廣田選手は今年中のリベンジに拘らなくとも良いかもしれません。


現在日本の2大総合格闘技イベントの一つであるSRCの今後を不安視する声が各方面から飛んでいます。ただ現時点で即効性のある施策はないのが現実だと思います。現時点で出来ることは、サンドロ選手、金原選手、日沖選手、そして星野選手も参戦したフェザー級の地盤をしっかり固めていくこと、そして真騎士選手を大事に育ててライト級のTOPファイターに育てていくこと。この2つの部分は失わないようにして欲しいと思います。