ヒカルド・アローナ選手のUFC参戦について

３日程前にブラジルの格闘技サイトにて、ヒカルド・アローナ選手がUFCに復帰するとのニュースを目にしました。

PRIDEでアローナ選手が活躍していた頃を思い出すと楽しみな気持ちもあるのですが、タイミングが少々遅いのではないかというのが正直なところです。アローナ選手は今年の９月～１０月頃を目処にUFC参戦を計画しているようですが、MMAのトップ戦線での試合からは実に３年半以上遠ざかっていることになります。アローナ選手は昨年９月にマーヴィン・イーストマン選手と試合をして判定勝ちを収めていますが、イーストマン選手は決して現在のトップクラスの選手ではありません。アローナ選手が参戦を予定しているUFCのライトヘビー級は最も混沌としている、世界トップレベルの激戦区です。

アローナ選手はPRIDE消滅後に、UFC、アフリクション、ストライクフォースにも属さなかった数少ない重量級TOPファイターの一人です。アローナ選手はPRIDE消滅後に自身のMMA事務の設立に専念し、その他の時間はサーフィン等に費やしていたようです。２００９年にはモチベーションの低下を理由に引退を仄めかす発言もしていました。自身のジムで貧困から抜け出そうと必死に練習をしている若者を見ている内に、彼らの一人でも多くを一流格闘家に育てることに集中したいという気持ちが生まれてきたとのことでした。ただ同時に現役復帰の可能性も仄めかしていたため、そちらの気持ちの方が強かったということだと思います。

アローナ選手は日本を主戦場としていた選手ということもあり、日本でも愛着を持っているファンも多いと思います。それ故、UFCでも活躍する姿をみたいという気持ちはありますが、アローナ選手の長期のブランクは非常に大きく影響すると思います。この３年間でMMAの技術体系は進化しています。アローナ選手のUFC参戦には険しい道のりが予想されます。アローナ選手本人の意思だったので仕方のないことですが、五味選手のUFC参戦発表時と同様に、もう少し早い段階での参戦が見たかったというのが正直な気持ちです。

天才柔術家と呼ばれ、リングスではあのヒョードル選手をも苦しめたアローナ選手。“弾丸タックル”と呼ばれた彼の高速タックルは現UFCのライトヘビー級でも通用するのでしょうか。