<第6試合 戦極ミドル級チャンピオンシップ 5分5R>
●三崎和雄(GRABAKA)
(5R3分26秒 TKO※チョークスリーパー)
○ジョルジ・サンチアゴ(アメリカン・トップチーム)
サンチアゴ選手VS三崎選手の試合は双方の良いところが出た好試合となりました。三崎選手は顔面へのパンチ、ローキック、そしてボディへのパンチやバックスピンキックを使い分け、上・中・下とうまく攻撃を散らしてペースを握ろうとしました。三崎選手は打撃でダメージを与えたり、上のポジションを取ったりとペースを掴みそうになるのですが、そうはさせじとサンチアゴ選手も随所で腕を取りに入ったり、的確にパンチを当てペースを握らせませんでした。サンチアゴ選手のパンチが三崎選手の顎に入り、三崎選手がダウン気味に倒れるようなシーンや、腕を取られそうになるシーンもありましたが、三崎選手もすぐに体勢を立て直し、精神面の強さを見せました。一進一退の攻防が続き、4R終了時点では三崎選手が若干ポイントでリードしているといった印象でした。5Rもこのまま僅差で三崎選手が逃げ切るのかと思われましたが、ここでサンチアゴ選手が底力を見せつけました。スタンドでの攻防が続くと思いきや、サンチアゴ選手がタックルを仕掛けます。三崎選手もサンチアゴ選手がタックルに来るとは予想していなかったようで、テイクダウンされてしまいます。テイクダウンを奪ったサンチアゴ選手は、マウントポジションを取ることに成功しました。脱出しようと体を反転させ、背中を見せた三崎選手の首にサンチアゴ選手の腕が絡みました。チョークスリーパーが完全に極まり、三崎選手は落ちてしまい、ここでレフリーストップとなりました。最後の最後でサンチアゴ選手が逆転勝利を収めました。サンチアゴ選手は前回の中村選手戦に続いての逆転勝ちです。これ程まで頻繁に逆転勝利が出来る選手は本当に凄いと思います。戦極では5戦全勝という戦績になりましたが、内3勝は最終ラウンドでの逆転勝ちです。勝負勘が良いのでしょうか。最後のワンチャンスをモノにする勝利に対する貪欲さは素晴らしいものがあると思います。一方の三崎選手も負けはしたものの、評価を下げるどころか、むしろ評価を上げる戦い振りを見せてくれました。打撃の打ち分けや、相手との距離感など、非常に高い技術を見せてくれました。
<第7試合 戦極ライト級チャンピオンシップ 5分5R>
●五味隆典(久我山ラスカルジム)
(1R1分41秒 アキレス腱固め)
○北岡 悟(パンクラスism)
戦国の乱2009のメインカード、北岡選手VS五味選手。五味選手の入場曲がPRIDE時代の曲に変わっていました。ここ最近思うような試合が出来ていない五味選手ですが、観客が喜ぶようなKO勝ちを見せたいという五味選手の意気込みを感じました。試合が始まると、寝技に持ち込むためにテイクダウンする隙を伺う北岡選手と、タックルを警戒して低く構える五味選手が互いに牽制しあいます。北岡選手はタックルにいくも一回目はかわされてしまいます。北岡選手の2回目のタックルに五味選手がパンチを合わせようとしますが、パンチはあたらず北岡選手はそのまま勢いでロープ際まで体が泳ぎました。丁度ロープ際で北岡選手が五味選手に背中を向けたとろで五味選手が北岡選手を背後から捕まえました。しかし、すかさず北岡選手は五味選手の腕を取りに行きます。その体勢を嫌った五味選手が北岡選手を持ち上げ、マットに叩きつけました。両者の体がもつれ、グラウンドの展開になると直ぐに北岡選手が五味選手の足を取りに行きました。北岡選手が足を取ることに成功しますが、五味選手は利いていないとレフリーにアピールします。そこで北岡選手が足を持ち替えました。五味選手の足を持ち替えた北岡選手が体を反転させると、五味選手の表情が歪み、その直後にタップして決着がつきました。北岡選手が得意の足関節で一本勝ちを収めました。この結果は、五味選手のファンでさえも頭の片隅で不安と共に思い描いていた光景だったのかもしれません。あまりにもあっさり五味選手が負けてしまったことへの驚きに、会場は五味選手が一本を奪われた直後、静けさと拍手の音が入り混じった何ともいえない空間となりました。PRIDEで桜庭選手がシウバ選手に負けた瞬間の会場の雰囲気を少し思い出しました。
あっさり負けてしまった五味選手ですが、コンディションは決して悪いものではなく、むしろ良さそうにすら見えました。北岡選手の足関節に関しても、警戒していたと思います。警戒されながらも、その足関節できっちりと一本勝ちした北岡選手は見事だと思います。この五味選手の敗戦をうけて、元々五味選手のグラウンドスキルには穴があったという意見もあります。しかし、PRIDEで連勝を重ねていた頃は、試合の中でそのような体勢になることのない強さを持ち合わせていました。最近の五味選手の不調の原因としては、今置かれている環境が一つにあると思います。2006年の7月に五味選手は自身のジムを開き始めています。五味選手はプロ格闘家として戦うこと、そして生徒を育てるという二束のわらじを履いている状態です。生徒の育成と言う部分には、当然の如く力を注いでいるようです。もしかすると以前に比べて、100%試合に向けて集中した練習が出来る環境に無いのかもしれません。
ライト級・ミドル級のタイトルマッチは、両階級ともに2008年のトーナメントを勝ち上がってタイトル挑戦権を手にした北岡選手とサンチアゴ選手が勝利しました。今後に関しては両名共にマッチメークが難しくなりそうです。特にサンチアゴ選手は戦極ミドル級で突出した存在になりつつあるので、釣合う相手が見当たりません。善戦した佐々木選手・中村選手・三崎選手との再戦はしばらく間をおいてからでないと組みにくいと思うので、ここは戦極が新たな強豪を連れて来てくれることに期待したいです。北岡選手に関しても五味選手との再戦を希望していましたが、すぐにという訳には行かないと思うので、次戦は戦極ライト級の外国人選手とのマッチメークが組まれそうです。北岡選手に負けてしまった五味選手も、また這い上がって来てくれることを期待します。北岡選手以外のライト級グランプリBEST4の選手達との絡みは興味深いです。三崎選手も負けはしたものの、トップクラスの実力があるところを見せてくれたので、怪我を治して復活した姿を見せて欲しいです。戦極ミドル級にはサンチアゴ選手、三崎選手など良い選手がいるので、もう少し選手層が充実すれば更なる盛り上がりを見せれると思います。
●三崎和雄(GRABAKA)
(5R3分26秒 TKO※チョークスリーパー)
○ジョルジ・サンチアゴ(アメリカン・トップチーム)
サンチアゴ選手VS三崎選手の試合は双方の良いところが出た好試合となりました。三崎選手は顔面へのパンチ、ローキック、そしてボディへのパンチやバックスピンキックを使い分け、上・中・下とうまく攻撃を散らしてペースを握ろうとしました。三崎選手は打撃でダメージを与えたり、上のポジションを取ったりとペースを掴みそうになるのですが、そうはさせじとサンチアゴ選手も随所で腕を取りに入ったり、的確にパンチを当てペースを握らせませんでした。サンチアゴ選手のパンチが三崎選手の顎に入り、三崎選手がダウン気味に倒れるようなシーンや、腕を取られそうになるシーンもありましたが、三崎選手もすぐに体勢を立て直し、精神面の強さを見せました。一進一退の攻防が続き、4R終了時点では三崎選手が若干ポイントでリードしているといった印象でした。5Rもこのまま僅差で三崎選手が逃げ切るのかと思われましたが、ここでサンチアゴ選手が底力を見せつけました。スタンドでの攻防が続くと思いきや、サンチアゴ選手がタックルを仕掛けます。三崎選手もサンチアゴ選手がタックルに来るとは予想していなかったようで、テイクダウンされてしまいます。テイクダウンを奪ったサンチアゴ選手は、マウントポジションを取ることに成功しました。脱出しようと体を反転させ、背中を見せた三崎選手の首にサンチアゴ選手の腕が絡みました。チョークスリーパーが完全に極まり、三崎選手は落ちてしまい、ここでレフリーストップとなりました。最後の最後でサンチアゴ選手が逆転勝利を収めました。サンチアゴ選手は前回の中村選手戦に続いての逆転勝ちです。これ程まで頻繁に逆転勝利が出来る選手は本当に凄いと思います。戦極では5戦全勝という戦績になりましたが、内3勝は最終ラウンドでの逆転勝ちです。勝負勘が良いのでしょうか。最後のワンチャンスをモノにする勝利に対する貪欲さは素晴らしいものがあると思います。一方の三崎選手も負けはしたものの、評価を下げるどころか、むしろ評価を上げる戦い振りを見せてくれました。打撃の打ち分けや、相手との距離感など、非常に高い技術を見せてくれました。
<第7試合 戦極ライト級チャンピオンシップ 5分5R>
●五味隆典(久我山ラスカルジム)
(1R1分41秒 アキレス腱固め)
○北岡 悟(パンクラスism)
戦国の乱2009のメインカード、北岡選手VS五味選手。五味選手の入場曲がPRIDE時代の曲に変わっていました。ここ最近思うような試合が出来ていない五味選手ですが、観客が喜ぶようなKO勝ちを見せたいという五味選手の意気込みを感じました。試合が始まると、寝技に持ち込むためにテイクダウンする隙を伺う北岡選手と、タックルを警戒して低く構える五味選手が互いに牽制しあいます。北岡選手はタックルにいくも一回目はかわされてしまいます。北岡選手の2回目のタックルに五味選手がパンチを合わせようとしますが、パンチはあたらず北岡選手はそのまま勢いでロープ際まで体が泳ぎました。丁度ロープ際で北岡選手が五味選手に背中を向けたとろで五味選手が北岡選手を背後から捕まえました。しかし、すかさず北岡選手は五味選手の腕を取りに行きます。その体勢を嫌った五味選手が北岡選手を持ち上げ、マットに叩きつけました。両者の体がもつれ、グラウンドの展開になると直ぐに北岡選手が五味選手の足を取りに行きました。北岡選手が足を取ることに成功しますが、五味選手は利いていないとレフリーにアピールします。そこで北岡選手が足を持ち替えました。五味選手の足を持ち替えた北岡選手が体を反転させると、五味選手の表情が歪み、その直後にタップして決着がつきました。北岡選手が得意の足関節で一本勝ちを収めました。この結果は、五味選手のファンでさえも頭の片隅で不安と共に思い描いていた光景だったのかもしれません。あまりにもあっさり五味選手が負けてしまったことへの驚きに、会場は五味選手が一本を奪われた直後、静けさと拍手の音が入り混じった何ともいえない空間となりました。PRIDEで桜庭選手がシウバ選手に負けた瞬間の会場の雰囲気を少し思い出しました。
あっさり負けてしまった五味選手ですが、コンディションは決して悪いものではなく、むしろ良さそうにすら見えました。北岡選手の足関節に関しても、警戒していたと思います。警戒されながらも、その足関節できっちりと一本勝ちした北岡選手は見事だと思います。この五味選手の敗戦をうけて、元々五味選手のグラウンドスキルには穴があったという意見もあります。しかし、PRIDEで連勝を重ねていた頃は、試合の中でそのような体勢になることのない強さを持ち合わせていました。最近の五味選手の不調の原因としては、今置かれている環境が一つにあると思います。2006年の7月に五味選手は自身のジムを開き始めています。五味選手はプロ格闘家として戦うこと、そして生徒を育てるという二束のわらじを履いている状態です。生徒の育成と言う部分には、当然の如く力を注いでいるようです。もしかすると以前に比べて、100%試合に向けて集中した練習が出来る環境に無いのかもしれません。
ライト級・ミドル級のタイトルマッチは、両階級ともに2008年のトーナメントを勝ち上がってタイトル挑戦権を手にした北岡選手とサンチアゴ選手が勝利しました。今後に関しては両名共にマッチメークが難しくなりそうです。特にサンチアゴ選手は戦極ミドル級で突出した存在になりつつあるので、釣合う相手が見当たりません。善戦した佐々木選手・中村選手・三崎選手との再戦はしばらく間をおいてからでないと組みにくいと思うので、ここは戦極が新たな強豪を連れて来てくれることに期待したいです。北岡選手に関しても五味選手との再戦を希望していましたが、すぐにという訳には行かないと思うので、次戦は戦極ライト級の外国人選手とのマッチメークが組まれそうです。北岡選手に負けてしまった五味選手も、また這い上がって来てくれることを期待します。北岡選手以外のライト級グランプリBEST4の選手達との絡みは興味深いです。三崎選手も負けはしたものの、トップクラスの実力があるところを見せてくれたので、怪我を治して復活した姿を見せて欲しいです。戦極ミドル級にはサンチアゴ選手、三崎選手など良い選手がいるので、もう少し選手層が充実すれば更なる盛り上がりを見せれると思います。