当然のことですが、あらゆるスポーツ、格闘技において勝ち続けるということは非常に難しいことです。プロスポーツ、特に一試合の重みが最も大きいと言っても過言ではない格闘技においては、一回勝つということでも大変なことです。絶対に勝つであろうという下馬評がありながらも、ちょっとしたことで躓いてしまうことは珍しくありません。五味選手が以前インタビューで、「一勝するのって、大変なんですよ。」と言っていたのが印象に残っています。

先日行われたWEC36は、そのことが顕著に表れた大会であったと思います。

ミドル級ではパウロ・フィリオ選手がチェール・ソネン選手に敗北を喫しました。モチベーションの低下や体調管理不足等、様々な憶測を呼んでいます。いずれにせよ、総合格闘技で初の黒星を喫したことになります。

また、スタンドでの打撃ならば依然TOPクラスと言われていたジェンス・パルヴァー選手も、1R早々レオナルド・ガルシア選手にKO負けを喫しました。スタンドでの打ち合いの中でのKO負けです。

そしてフェザー級世界最強の呼び声も高く、山本KID選手も対戦を熱望しているユライア・フェイバー選手がマイク・ブラウン選手にKO負けを喫しました。




一試合一試合に非常に重みがある格闘技ですが、そのような中で勝ち続けたり、敗北を喫しても不屈の精神で這い上がり再び連勝を重ねるなどして、絶対王者の称号を手にしているファイター達がいます。日本でも馴染みのある選手ですと、PRIDE時代のヴァンダレイ・シウバ選手、またヒョードル選手はご存知の通り依然絶対王者の地位を不動のものとしています。UFCですと、アンデウソン・シウバ選手、ジョルジュ・サンピエール(GSP)選手、そしてBJペン選手が各階級の絶対王者として君臨しています。

特にアンデウソン・シウバ選手はUFC代表のダナ・ホワイト氏もP4P(パウンド・フォー・パウンド)最強と評す、一押しの選手です。かたやP4Pの話になると、必ずと言って良いほど、このアウデウソン・シウバ選手、ヒョードル選手、GSP選手、そしてBJペン選手の名が挙がります。階級の違いで、ヒョードル選手が他の3選手と対戦する可能性はほとんどないのですが、GSP選手とBJペン選手はアンデウソン選手との対戦を希望する発言をしたことがあります。GSP選手に限っては、アンデウソン選手との試合を熱望しています。

そのような状況下で、アンデウソン・シウバ選手の非常に興味深いインタビュー映像があります。



インタビューの中で、自身のことはP4P最強とは思わないと発言しています。では、ヒョードル選手は?と聞かれると「ノー」、GSP選手は?「ノー」と応えています。最後にBJペン選手は?と聞かれると「メイビー」と言っています。

特に深い意味は無いのかもしれませんが、BJペン選手の名前に対してのみ少し間をおいて、「May be」と発言しています。考えすぎかもしれませんが、この発言にアンデウソン・シウバ選手を倒すヒントが隠れているのかもしれません。ピークのままで引退するという説も浮上しているアンデウソン選手を、UFCで誰かが倒すところを観てみたいのでこのような想像をしてしまいました。