デビルハンター。それがこの世界に潜む光。
しかし、彼らの存在は闇にあった。誰にも知られず任務をこなす。
それが彼らのこれまでであり、これからだ。
まだ未熟なうちから戦いを知り、
ただ標的を狩ることを生きがいとしてきた彼らデビルハンター。
これは、その一人である篠森飛鳥(ささもりあすか)の物語。
後に伝説のデビルハンターと仲間内でひっそりとささやかれる、
戦士の成長のお話である。
「にぃさ~ん?おきな~?」
妹の龍華(りゅうか)の声がする。今日は休みなんだしもう少し
寝かせてくれたっていいじゃないかね~。
いつも早起きしてるわけだしね~。
「いつも遅いんだからたまには早く起きてよ~・・・」
・・・すいません遅いです。
「あと5年・・・」
「それが兄さんのデフォなのね?じゃあ干からびるまで寝てなさい?
また5年たったら起こすね?今日ピクニックだけど置いてくよ?」
相当ご立腹なようです。仕方ないから起きるかねぇ。
・・・ピクニック?そういえば親父が昨日そんなこと言ってたな。
今日は家族でナチュラルパークというところにピクニックらしい。
ナチュラルの通り自然が一杯のデカイ公園で、
なかなか空気のうまいところなんだとか。
僕らは自然との付き合いは永いから、
そのためにも触れ合わなきゃいけないし、いい機会だと思う。
龍華が僕に手を出して起こしてくれた。
そして僕が部屋を出るまでじーっと見ていた。
これ以上寝ないようにということなのだろう。
「心配しなくても二度寝はしないからな?」
「ならいいのだけどね?」
二人で部屋を出てリビングへ向かうと、起きたは良いけど今にも寝て
しまいそうになっている鷹志(たかし)と、
席について新聞を読んでいる親父の辰光(ときみつ)、
朝食を運んでいる母の麗歌(れいか)がすでにいた。
「やっと起きましたか?」
親父がにこやかにそう話しかけてくる。親父はどういうわけかわから
んが、僕たち家族にも敬語で話してくる。その理由は僕たち兄弟には
わからず、母は多分知っているだろうが、問いだたしても知らん顔だ。
「ご飯できてるから食べなさい!食べたらすぐに支度してね~!」
笑顔で母がそういって、僕たちに朝食を出してくれた。今日はパンと
スクランブルエッグだ。飲み物はカフェオレと、なかなかおしゃれだ。
うちの母は料理に手抜きがない。スクランブルエッグだろうとそれは
変わらず同じだ。卵にだしを入れたり時間を計ってふんわりにしたり
と色々工夫をしている。これを毎日。これはそうそうまねできないだ
ろうと思う。
いつもどおりうますぎて困る朝食を食べ終えた後、僕は部屋に戻り出
かける支度をした。
「な~にもってくかな~!」
外で遊べるものはたくさんある。フリスビー、サッカーボールなどな
ど。割と豊富だ。しかしだからこそ何を持っていくか・・・。
「兄さん!」
「なんだ?」
呼ばれたので作業を中断し、振り向くと龍華が二本の竹刀を持っていた。
龍華は僕と稽古するのが好きらしく、何度も試合を挑んできた。僕はいつも龍華との試合で勝っていた。
それでも龍華は笑顔で挑む。竹刀を見せてきたということは今回もそういうことなのだろう。
「好きだなぁ!いいぜ!あっちいったらやるか!」
「今度は負けないからね!」
「ははっ!期待してるよ!」
僕たちのやる稽古にルールはほとんどない。体術、剣術、その組み合わせと、使える技は何でも使い、相
手が参ったというまでやる。
武器は竹刀一本。竹刀がなくなれば己の体が武器だ。ただ相手に竹刀を壊すのは禁止にしている。
前に壊して親にこっぴどくしかられた。スマイルで説教3時間。地獄だった。
そうして僕たちは支度を終え、車に荷物を詰め込んで、僕達も車に乗り込む。
「忘れ物はないですね?行きますよ?」
親父がそう言って運転席から僕達を見る。
「あぁ大丈夫!」
「平気よ!」
「問題ないぜ!」
三兄弟それぞれが親父に返答する。それに親父がニコッと笑顔で返すと、前を向いて車を発進させた。
道中退屈を凌ぐため、僕たちはしりとりをして遊んだ。
途中鷹志が語尾に「ん」の付く言葉を使ったのをうまくごまかしてずるをしようとしたが、そこは兄である僕
がびしっと叱っておいた。
そうこうしているうちに、今回の目的地であるナチュラルパークに辿り着いた。
その場所は名前通り大自然がただただ広がっていた。
右を見ても、左を見ても緑一色で上には青空。何かあるとしたら大きな木が数本。
「やはり自然はいいですね~!」
そう言って笑顔でハッハと笑う我が父親に少々嫌気が差した。
「なんでもいいわ 兄さん!やろ!」
そう言って龍華が竹刀をこちらに投げてくる。僕はそれを取り、構えた。
「手加減はしないぜ!」
