『追憶のタキシーダンサー』本番まで2週間。
台本も出来上がり、大方のステージングも完成。
作品の大枠が見えてきて、俄然稽古にも熱が入っております。
今回の作品は、1幕が昭和15年10月31日、ダンスホール最後の日に『滝壺』に集った人々の物語、
そして2幕では戦時下になり、放蕩画家・太田一家に焦点が当たります。
海軍将校や特高警察など、この時代に欠かせない役柄ももちろん登場しますが、多くの人物が市井の人々。
戦火に身を投じたわけではないけど、『戦争』のために夢を諦め、愛を求め、散っていった人々です。
平和な時代と同じように描いた夢を、時代のために許されなかった人々のお話です。
私が演じる金魚、そして相方の鮒子は少女歌劇を夢見たけど叶わず『滝壺』にやってきた女の子です。
その『滝壺』も、戦争の足音ともに閉鎖を余儀なくされ、ダンサーたちは踊る場所を失います。
ダンス、スポーツ、音楽など、いろんなことが『敵性文化』として取り締まられた時代。
好きなことを出来なくなるって、どれだけ辛いことだろう。
それでもお国のためだって、我慢して、ひたすら現実を受け入れる。
いまでは想像するしかないけれど、大変に違いないと思います。
8月6日。
本番まで2週間になり、そんなことを考えていました。
あと2週間、作品に、キャラクターに、そして戦争に、真摯に向き合いたいと思います。
あ、とはいえドガドガですから今回もジェットコースターです。
歌、踊り、モブシーンと賑々しい作品になってます!
夏の終わりは是非浅草で₍₍ ◝(●˙꒳˙●)◜ ₎₎
ご予約まってますよー!
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劇団ドガドガプラス第22回公演
『追憶のタキシーダンサー』
《作/演出》望月六郎
《劇場》
浅草東洋館
東京都台東区浅草1-43-12
浅草六区交番前(浅草演芸ホール右隣入口)
《日時》
8月19日(金)19:00
8月20日(土)19:00
8月21日(日)19:00
8月25日(木)19:00
8月26日(金)19:00
8月27日(土)19:00
8月28日(日)19:00
8月29日(月)19:00
《料金》
一般前売り4000円 当日4500円
学生前売り3000円 当日3500円
全席自由席
《出演》
ゆうき梨菜、丸山正吾、流しの信之、大岸明日香、前田寛之、石井ひとみ、レイアイ、飯嶌桂依、中瀬古健、渡辺宏明、野村亜矢、比留間聡子、吉村彩、石川いずみ、川又崇功、ジョセフ一樹、佐々木健、田口夏帆、下西春奈、福谷美月
《あらすじ》
1940年=昭和15年10月31日、日本全国からダンスホールの灯りが消えました。『国家の非常時に踊ってる場合じゃあないだろう!?』ってことなんでしょうね。翌日の新聞見出は『今宵かぎりのステップ・ダンスホール昨夜は超満員』でして、この日から一年と少しが過ぎると私たちの国は真珠湾攻撃を敢行し運命の扉を開けるのです。
舞台は男たちの欲望が渦巻くダンスホール『滝壺』。ダンスホール最後の夜の物語。男たちを誘う壁に居並ぶタキシーダンサーたちには人には言えない秘密がありました・・・それでは話が先に進まないので秘密をご披露します。タキシーダンサーたちはそもそも不良少女出身、打ち続く戦乱に飽きた彼女たちの心に宿る魂は日本古来の『トイチハイチ』=在りし日の夢『男装の麗人』を慕うレズビアンであったのです。嗚呼、ナイチンゲールの昔から戦争はレズビアンの揺かごなのです。そんなこととはつゆ知らず、オートマチッックにチケットを吐き出す男たちこそ悲しい時代の兵士でありました。
その夜から幾星霜・・・たった5年を待たずして大日本帝国は落日の時を迎えるのです。激動の日々にあっても人の営みは現代に生きる私たちときっと大差はないはずです。大方、食って寝てサカって老いて、いつか死ぬ・・・同じアホなら、踊りゃな損々。
『追憶のタキシーダンサー・・・永井荷風“問わず語り”より』は戦前戦中をやり過ごした永遠の不良たちに送る『暮しの手帖』です。