しんやは

某カラオケ店でアルバイトリーダー的な存在だった。

カラオケ店での裏の話をしてくれた。

どれも笑える話だった。


あの朝、

目が覚めるとしんやはまだ寝ていた。


他には誰もいない。

ちょっと呑みすぎた。頭がいたい。

今朝もグダグダ。


もそっとしんやが動いた。

そして、引き寄せて強めにぎゅーっとされる。

く、苦しい。


あたし帰るよ。


ん。分かった。

と、やっと離してくれた。


送ってくれる車の中でメアド交換をした。


帰ってきて私はまた眠りについた。



そういえば、私元彼の姉の連絡先を知らない。

とりあえず先輩に昨日のお礼と謝罪の文をメールした。


返事は来ない。まだ寝てるのだろうか。



その夜、しんやからメールが来た。

迎えに行くから遊ぼうと。


そして、今度は2人きりでしんやの家で飲んだ。

そうすると、するとこはただ一つ。

酔っ払いのSEXに汗を流す。


こんな日が何日も続いた。


先輩からメールがあり、電話で話すことに。

先輩とあの日の夜の話からそれからの話を聞く。


元彼の姉は、しんやが好きだった。

だから、今わたしの事を悪く言ってると。


そうだとは感じていたけども。

しんやに話した。

元彼の姉のこともあるし、先輩だから、

わたしもうしんやに会わないと伝えた。


その日の送ってくれた時、

車の中でしんやはずっと黙っていた。

何を考えているのか分からなかった。


そんなこともお構いなしに、

わたしは先輩との関係を大事にしようとしたのだ。


家の近くにつき、信号待ちのところを、わたしはここでいいと言って車を降りる。

なんとなく覚えているのは、


私は突然車のドアを開けて出たみたい。

横断歩道が青になり、駆け足で帰ろうとしていた。


するとしんやが、車を止めて走って追いかけてきた。

そして腕を掴んできて、突然キスをしてきた。

その時のしんやの悲しそうな寂しそうな顔が今でも覚えている。


特に何も言わず、キスだけをして去っていった。

早朝の話。


なんだかドラマティックな展開。

しかし、しんやとはそれっきりとなった。


今思えば、

あの時しんやと恋愛をしていたら人生が今と違ったのかなとか、たまに考えてしまう。

もう連絡も取れない。

家も分からない。


今何してるのかな。結婚したのかな。

少なからずイケメンだった記憶。