子宮内膜間質肉腫endometrial stromal sarcoma(以下,ESS)の一般的な知識。
endometrial  は 子宮  子宮内膜といえるのかもしれない。

stromal は 間質性

sarcoma は サルコーマ=肉腫ってことで ESS が 子宮内膜間質肉腫となる

川村直樹 大阪市立総合医療センター婦人科部長による、下の論文が最もよくわかると思います
確立した標準的な治療はないが、効果的な化学療法も現れだした他の疾患と間違われやすい子宮肉腫の治療
ただ、これは2007年に がんサポートにのったお話なので、ちっと古いかもしれません。

GYNEさん のブログの解説もよく理解できます。(本文は こちら )より LGESSの部分だけ

stromal sarcomas・・・筋層に浸潤し、血管・リンパ管侵襲を伴う。
low-grade(<10mitoses/10HPF)と
high-grade(>10mitoses/10HPF)に分けられ、まったく異なる振る舞いを持つ
 ⇒ low-grade edometrial stromal sarcoma(LGESS)は、肉眼的には、子宮筋層や骨盤内の血管に虫のように浸潤し、顕微鏡的には、細胞異型は無いか殆ど無く、細胞分裂像もあってもほとんど無い。転移は起こりうるが、臨床経過は遅く、通常手術のみで十分な治療となり得る。再発も起こりうるが、通常診断から5年以上たっていることが多く、25年後の再発についても報告されている。

リンク先の本文の中で、外科的治療:標準的治療はATH+BSOという表現がありますが
ATH:abdominal total hysterectomy腹式子宮全摘術
BSO:bilateral salpingo-oophorectomy両側卵管卵巣摘除術
です。

ESS には L と H がある
低悪性度はローグレード。だから、LGESS というのが診断名になる。
高悪性度だと、HGESS

L と H を分ける
区分となる「10mitoses/10HPF」 ですが
「mitosis=有糸分裂(ゆうしぶんれつ)」 が 10HPFにあるかどうか?で分かれるようです。
10HPF ですが、顕微鏡の倍率のようです。10HPFで100倍に拡大されたというような
意味合いなのかもしれません(推定)英語のつづりとしては (high-power field: hpf)でしょう。

「多くの分裂像(10高倍率視野で10以上)」という表現がありましたので、「高倍率視野」がHPFだと思います。
どちらにしても、シロートが顕微鏡覗くわけではないので、LかHかはきっちり診断がつくと思います。

GYNEさんの、このあとのブログ (2009/09/21)にもESSの話が出てくる。1970年という古い論文でのデータもあるが、HGとLGの差は大きいと思える。というか、早期発見できるか?転移がないか、取り残せずに取れるか?
の差でもあるのではないだろうか?

(2010/9追記)低悪性度についてのまとめがありました。
婦人科悪性腫瘍の研究ノート  低悪性度子宮内膜間質肉腫
以下引用---------------------------------------------------------------
女性100万~200万人あたり年間1人発症する。
発症した患者の多くは、ホルモン補充療法または、乳がん治療後でTamoxifen内服している患者である。
子宮内膜間質由来の細胞が悪性化したもので、組織像は子宮内膜間質細胞類似の腫瘍細胞が増殖する。
核分裂増は、顕微鏡の強拡大像(HPF)10視野あたり10個以下の場合が多いが、それ以上のこともある。
腫瘍細胞はほとんどの場合、ER, PgRを強く発現する。
予後に最も関連するのは進行期(stage)である。I期、Ⅱ期の予後は極めてよく、5年生存率、10年生存率とも9割を超える。

治療法の第一選択は、手術である。
子宮全摘と両側付属器切除が基本である。卵巣摘出を要さないとする論文もあるが、多くの論文で卵巣摘出が推奨されている。

術後補助療法または、手術不可能な症例に対しては、まず、ホルモン治療が考慮される。
ホルモン治療はMPAをもちいる。報告では、400mg/day~1000mg/dayが用いられている。日本で子宮体がんに対し、600mg/dayの容量が保険適用となっており、この量が推奨される。
付属器切除できなかった場合、Gn-RHa(リュープリン3.76)も用いることができる。
ホルモン治療の別の選択肢として、retrozole(フェマーラ2.5mg 分1)の報告も多い。日本では乳がんにしか保険が通っておらず、使いづらい。また、アロマターゼ阻害薬はエストロゲンを完全に抑えてからでないと効果がな く、基本閉経後以外は適用にならない。もし使う場合、Gn-RHaでエストロゲンを抑制してからとなる。

ホルモン治療が無効な場合は、化学療法も考慮する。
Ifomaide単剤の報告で、33%の奏功率の報告がある。adriamycin単剤の報告もある。
IAP(Ifomaide, adriamycin, cisplatin)の多剤を用いた治療報告もある。
--------------------------------------引用ここまで---------------------


ウィキペディアの英語のページを翻訳してみました・・・・・
機械で翻訳するとこうなるんですが ちょっと修正してみました。エキサイトの機械翻訳

子宮肉腫

子宮肉腫は、 子宮平滑筋結合組織 から起こる悪性腫瘍です。 子宮の内壁 の間質から発生すれば、 子宮内膜間質部肉腫です、そして、子宮筋から発生すれば、子宮の平滑筋肉腫です。 また、上皮性起源の悪性腫瘍は、 子宮のがん肉腫(かつて、悪性の混合ミューラー腫瘍と呼ばれていた)と呼ばれます。


普及

大多数の子宮体の悪性は 子宮内膜癌 です一般に、約4%だけが子宮肉腫
になるでしょう、傷害の原因は知られていなくて、しかしながら、骨盤部照射の経歴をもっている患者は、より高いリスクがあります。 ほとんどの腫瘍が 更年期 の後に起こります。 長期にタモキシフェン を摂取していた女性が、より高いリスクがあります。 


サインと兆候

閉経後の出血は、子宮肉腫を含む悪性のサインである可能性があり、検査の必要があります。他には骨盤の痛み、圧力、および珍しい放出を含んでいます。 すぐに拡大する非妊娠子宮は、疑わしげです。しかしながら、サインのいずれも特定ではありません。 特定のふるい分け試験は開発されていません。子宮頸癌 のためのふるい分け試験であり、子宮肉腫を検出するように設計されなかった パパニコロースミア


診断

医師による調査がイメージを含んでいる、(超音波 , CAT , MRI )、できれば 生検 で組織診断を得ること。, 子宮鏡手術   。 結局、診断は標本の組織学的検査で確立されます。 高悪性度は、通常、ハイパワー分野あたりの 10以上の有糸分裂 があります。 対照的に、低悪性度しての 子宮平滑筋腫 には、ハイパワー分野あたりの5未満の有糸分裂があるでしょう。


ステージ(病期)

子宮肉腫のステージは、子宮内膜癌のように フィーゴ 癌の病期分類 に準じます。

  • ステージIA: 腫瘍は子宮内膜に制限されます。
  • ステージIB: 子宮筋層 の半分未満の侵入
  • ステージIC: 子宮筋層の半分以上の侵入
  • ステージIIA: endocervicalの腺のかかわり合いのみ
  • ステージIIB: 頚の間質侵入
  • ステージIIIA: 腫瘍は漿膜部、付属器、または悪性の腹膜の細胞学に侵入します。
  • ステージIIIB: 腟の転移
  • ステージIIIC: 骨盤、または、パラ大動脈のリンパ節への転移
  • ステージIVA: 膀胱か腸の侵入
  • ステージIVB: intraabdominalか鼠蹊のリンパ節を含む遠隔転移


療法

療法は、ステージと我慢強い状態に基づいていて、以下のアプローチの1つ以上を利用します。 双方のsalpingo-卵巣摘出による可能な意味ありげな総腹式子宮摘出術 であれば、外科 は治療の中心です。

他のアプローチは 放射線治療 を含んでいます。化学療法 、および ホルモン療法


参照