国家試験という点から医師と弁護士を比較してみる | ひげ豚弁護士(休業中)があれこれ考えてみる

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先日、ALS患者さんの安楽死をめぐって逮捕された医師について、不正に医師免許を取得した疑いがあると報道されていましたね。

 

報道によると、海外の大学で医学を履修したと虚偽の受験資格で申請して医師の国家試験を受験し、医師免許を取得したということ。

 

このニュースですが、医師と同じく国家試験である司法試験に合格した私としては、ちょっとした違和感を感じます。

 

というのも、受験資格を偽装したとしても、実力がなければ国家試験でふるい落とされるはずだと思うからです。

司法試験なら、たとえ受験資格を偽装したとしても、司法試験自体を実力で合格したのであれば、十分に弁護士として活動する能力があるはずで、おそらく受験資格を偽装する輩など現れないと思います(というか、私が受けた昔の司法試験の受験資格は大学の一般教養さえ履修していればよく、さらに仮に中卒でも受験資格を得る道がありました)。

それだけ司法試験は、合格が難しく、実力主義の試験です。

それは合格率にも現れます。私が通った昔の司法試験は合格率3%以下と言われていました。現在の新司法試験制度でも合格率は30%前後だったかと思います。

つまり、ちゃんと勉強できていない人は合格できないのです。

 

他方で、医師免許の国家試験は合格率が90%を超えます。

つまり、医師免許は、医学部に入ってさえしまえば、取得の可能性がかなり高いということです。

 

この違いは、医師と弁護士の世襲制にも如実に現れます。

私の感覚ですが、医師の子はだいたい医師になるパターンが多いですが、弁護士の子は弁護士になるパターンは少ない気がします(というか、今まで出会った同業者の中で、親が裁判官、検察官、弁護士というのはいないわけではないが、かなり少ないという実感です)。

これは国家試験の合格率の違いによるものと思っています。

同じ医師でも、国公立系の医学部は実力主義で医学部入学自体が難しいと思いますが、私立の医学部の入学はそれほど難しくはありません。単純に言えば、私立の医学部は学費さえ払えれば、9割の確率で医者になれるのです(実習等である程度のふるい落としはあるかもしれませんが)。

それに対して、司法試験はどれだけお金を積んでも司法試験合格の力がなければだめです。

 

まぁ、だからなんだという気もありませんが、ふと気になったので書いてみました。

 

それでは。

ちゃお~