─ズキッ
「!?」
胸に激痛が走った。
そのまま俺は倒れたらしい。
気がつけば病院のベッドの上に居た。
『Dear...』~俺の想い~
─ガラッ
「光。」
この声は-…
「謙也くん?」
「せや。大丈夫か、光…」
「大丈夫っスわ。」
「光…ホンマに?」
「せやから大丈夫ゆうとるやないですか。謙也くん、お節介っスわ。」
「ならええんやけど…」
謙也くんの表情は暗い。
実際俺は大丈夫やない。謙也くんに心配かけたくあらへんから強がってみせる。
兄貴に聞いた。
俺は病気らしい。
詳しくはよおわからんけど、心臓の病気であと半年も持たないらしい。
兄貴は「好きなことせえ」と言っていた。
(あぁ、死ぬんや)
悟った。
謙也くんは知っとるんやろか?
知っとるからあんな顔しとるのやろか?
聞きたい。
聞けない。
聞いてみたい。
聞いてもええんやろか?
どっちにしても、謙也くんは泣くだろう。
「あんな、光…「謙也くん。」
謙也くんが何かを言おうとしたのを遮り、俺は言った。
「俺、あと半年も持たないんやって。」
「………」
あぁ、知っとったんや。
「せやからあと半年、謙也くんともっと一緒に居りたいわ。」
謙也くんの表情が一瞬晴れた気がした。
「せやな、俺ももっと光と居りたいわ!光との思い出、もっと作りたいわ!」
謙也くんはニコッと笑った。
寂しげな表情で。
「ほな、担当のやつに外出許可もらっていきましょか。」
「今から!?」
「もちろん。」
俺はすぐに担当医に外出許可を貰い外に出た。
担当医は「あまり無理をするな」と言っていたが、守る気は無い。
少しぐらい無理せんと、せっかちな謙也くんに追いつけんから。
だけど謙也くんはゆっくり歩いてくれて、俺としても歩きやすかった。
「謙也くん。」
「…」
「謙也くん?」
「光。」
「ん?」
「怖く…ないん?」
怖い…?何が?
謙也くんに会えなくなること?
謙也くんとダブルスが組めないこと?
謙也くんとテニスが出来ないこと?
謙也くんと笑って話せないこと?
「何が怖いん?」
「死ぬっちゅーことや。」
死ぬ…?
そういえば考えもしなかった。
「死ぬんは怖く無いッスわ。」
「光は強いなぁ。俺が光の立場やったら、怖いと思うわぁ。」
死ぬのなんか怖くない。
「死ぬんより、謙也くんといつ会えなくなるかわからんことの方がよっぽど怖いわ…」
「え…俺?」
どうやら思っていたことが口に出ていたらしい。
謙也くんが驚いている。
「俺は俺の命より、謙也くんの方が大事やから。」
今度は謙也くんに向かって言った。
そうだ。死ぬのなんか怖くない。
謙也くんと会えなくなる方が怖いんや。
何故か必死に心に刻みつけた。
謙也くんが俺の頭をぽんっとたたいてくれた。
ものすごく、暖かかった。
━─━─━─━─━─
<あとがきという名の反省文>
あれ、終わらない\(^_^)/
上手くまとまんないのでいったん終了。
書ければ続き書きます。
頭ん中では(たぶん)完結してるんです。((たぶん?
~俺の想い~は第一話だと思ってもらってもいいし、
一話完結のがだらだら続くと思ってもらっても良いし。
これで終わりだと思ってくれてもいいし。
最初は切ない光謙をテーマにしてたのが、段々と謙光になりそうな予感…。
というか、最終的に光謙?謙光?どっちだよ!!ってコトになってると思います。(この話も。)
誰か助けて\(^0^)/←
ここまで読んで下さって、ありがとうございました!