やはり、おおもの建築都市から記していきましょう。
時計好きなら、ジュネーブ国際見本市とあわせて
バーゼル・フェアーがお目当てでしょうか。
この旅の目的は、帰国を目前にして、兼ねてからずっと行きたかった
ロンシャン礼拝堂を訪ねること。
そうして訪れたのはバーゼル。
ここバーゼルも、有名建築がひしめく現代建築オンパレードの建築都市

観光案内所には建築MAPも。
Wikipedia先生にもほとんど情報がなく、地球の歩き方「ヨーロッパ」版には1ページも出てこないが、建築やってたらお馴染みの都市だ

スイスフランにもほら、大巨匠コルビジュエが描かれている。
今回、バーゼルに4泊5日。
内2日は
ヴァイル・アム・ラインと
ロンシャン、コルマールに使うため、バーゼルが見れるのは実質3日間。
友人4人で行ってきた。
初日はバーゼルに降り立ったその足で
ヴァイル・アム・ラインへ。
ゆっくりバーゼル観光は2日目から

実は、今回も忙しくて、何のリサーチもできてない。。。
まずは普通に観光

現代建築ばかりが目立つ都市だと思っていたのに、なんとまぁかわいい街なんでしょう

木組みのプリティーさは、すぐお隣のドイツとも通じる感じ。
バーゼル観光って、現代建築をスタンプラリーのようにまわっていくイメージだったのだが、予想を裏切られテンションUP



建築を知らなくても、街として全然楽しめちゃうよ。
後から知ったのだが、私たちが到着する直前に、スイス最大のカーニバル“バーゼル・ファスナハト”が行われていたそう。
グループごとにテーマにあわせた灯籠や衣装で街を練り歩くパレード

だが問題はその着ぐるみ。
観光中、鼻の大きい魔女のような気持ち悪い被り物がいたるところに並んでいた


薬局の店頭、美容室の椅子、お菓子屋のショーウィンドウ、花屋の植木鉢、電気屋の陳列棚。。。作成キット等々。
どうりで、これは、このカーニバルで使用したものだったのね

帰るころには、この魔女をモチーフとしたFCバーゼルのマスコットキャラクターをGETするほどに愛着もわいていた

さて、バーゼル街歩き。
市庁舎広場からMünster教会へ上がって行くと、高台からバーゼルを一望できる。
旧市街を一通り散策したら、試しに建築MAPを片手にトラムに乗ってみた。
バーゼルのユースホステルに泊まると、だいたいどこも滞在日数分のトラム乗り放題券が付いてくる

空港までカヴァーしていてラッキー

目指したのはヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron) の 州立病院ロセッティ医薬研究所(Institut für Spitalpharmazie)(1997)。
すぐそばにはSilvia Gmür & Livio Vacchini の Sanierung Klinikum(1989-2003)。
やはり、このままではスタンプラリーになってしまう

たまたま通りかかった大学図書館のカフェで珈琲ブレイクをとることにした

Otto Heinlich Senn の Universitätsbibliothek, (1962-1968)
とても素敵な階段で、気持ちのいい空間。
カフェもくつろぎモード。
館内は、6角形のブロックで構成されており、ハイサイドライトが入る。
こんないい建築との偶然の出会いは、旅の質をぐっとあげてくれる

では、作戦会議

建築MAPは、年代別に建築家名と建物名の羅列が100以上並ぶ。
すべて回ろうとするとそれこそスタンプラリー。
街歩きに徹したい私は、もう一冊のパンフレットに目をやった。
どうやらバーゼルの偉人さんたち5人をフューチャーし、ゆかりのルート5つを紹介しているらしい。
そういわれてみると、街にもこのルート案内板が立っていたような・・・
注目したのは、スイスの歴史家であり文化史家であるJacob Burckhardt(1818-1897)のルート。
そうだ、バーゼルは「スイス文化の中心地」とも言われるところだった

そこで、SpalentorからTheaterplatz を目指す。
3層程度の低層住宅が並ぶ路地は、とっても素敵で、あまり大きくないドアとか、身の丈に合ったおうちって感じがして街自体コンパクトで好きだった

よさげなチャリが、鍵もかけずに放置してあるところからは、治安の良さ、生活水準の高さが伺える。
ちょこちょこポイントを通過し、目的地Tinguely Brunnen(1977)のあるTheaterplatzへやってきた。
この広場には、私の大っ好きなリチャード・セラの『スネーク』が

なぜここに
ビルバオのグッゲンハイム美術館の『スネーク』に引き続き、ふたつめ

こちらはスイスの現代美術家、ジャン・ティンゲリー(Jean Tinguely)作の噴水(Brunnen)。
和名『噴水の劇場』と呼ばれ、機械仕掛けの彫刻たちがとってもかわいい動きをする。
この動き、見たことあるぞ

そう、
パリで


1982年に はポンピドーセンターに隣接するストラヴィンスキー広場に、『自動人形の噴水』と名づけられた噴水をニキ・ド・サン ファルと共同制作している。
この日のバーゼルの気温はもちろんマイナス。。。
私もドイツ人に習ってスノボーウェアで重装備

そんななか、この噴水も凍てついて冬バージョンの装いはだいぶインパクトあるぞ。
とまぁ、バーゼル1日目はこんなかんじで観光を。
バーゼル2日目は、やはり徐々に建築色が強くなってくる

バーゼル中央駅SBBからの出発。
この日一発目はHerzog & de Meuron のシグナルボックス

これは列車のための信号扱所で、外壁全体に幅20cmほどの銅の帯が巻きつけてある。
ただフラットに巻きつけているのではなく、ねじりを加えてあるため、見方によって縞模様のような表情がつく。
写真のみでは、この効果がねじりによるものだと理解していなかったので、なかなかの衝撃だった。
こういった施設をデザインしてしまうあたり、デザインに対する日本との意識の差が感じられる

しかもこれ、ふたつある。
さらには線路を挟んで真向かいには同じくHerzog & de Meuron の Locomotive Depot(機関車車庫)。
駅横のコレもHerzog & de Meuron。
ファサードが光るこのSUVAハウスもHerzog & de Meuron。
地元強し。
とても美しいフォルムBurckhardt+Partner の BIZ Tower。
さらに歩いて、マリオボッタの国際決済銀行。
そして出会ったアスファルトがめくれちゃった公園。
(もちろんデザインですよ

)
不意の出会いでテンションUP、はしゃぐ

旧市街までたどり着いたところで、ノープランの私たちは、寒いので6つ目で降りようとだけ決めて、適当に来たトラムに乗った。
そうやってたどり着いたのがなんと、世界的な製薬会社ノバルティスキャンパス。
偶然にしてはナイスチョイス

この敷地内は建築家の展示場

と思えるほどの有名建築家揃い。
フランク・O・ゲーリー、ディーナー&ディーナー、ペーター・メルクリ・・・
私がオープンデスクをしていたときに進行中だったSANAAの建物も完成していた。
中に入れないか交渉。
でも、職員の中に知り合い等いなければ、紹介状なしでは一般公開はしていないとのこと。
残念

贅沢すぎるぞノバルティス

なかなかの厳重警戒でしぶしぶ敷地の外から眺めるに留まった。
そして、遊ぶ


もうそろそろ私、キャパ越え。
そんなたくさん見れないって

頭パニクるって

そんなときは、もうちょっと行けばフランスランチは歩いて国境越え。
そしてバーゼル旧市街に戻ってライン河渡り。
船頭さんの素敵な口笛で河を渡してくれる。
おやつはマカロン、夜食はチーズフォンデュ


なかなかバランスのとれた旅

旅4日目はレンタカーで
ロンシャン礼拝堂へ

せっかくのレンタカーなので、『ハウルの城』の舞台ともなったコルマールも見てきた。
最終日バーゼル。
夜には飛行機でベルリンへ帰る

友達の勧めで連れて行ってもらったのはトラム10番の終点Dornachから高台へ歩いて10分、ルドルフ・シュタイナーの
ゲーテアヌム(Goetheanum)だ。
ここまで来ると、スイスらしいアルプスの少女ハイジ的大自然の片鱗が伺える。
ここは、ゲーテの思想に傾倒したシュタイナ-のアントロポゾフィー(人智学)に基づいた教育施設。
かつては2つの丸屋根を持つ木造建築だったが、放火により焼失。
現存する第二ゲーテアヌムは、彼自身が粘土模型を作成して建てられた彼の思想を反映した独特な姿のコンクリート造である。
その形状はまるで生物的で、内部はまさに体内のような印象を受けた。
ドイツ表現主義の傑作とも言われるポツダムにあるアインシュタインの塔ともテイストが似てないだろうか。
グラデーションで空間を操る色彩感覚や、扉や手摺に至る細部のデザインは、自然界のモチーフを取り入れた
バルセロナのガウディー建築を思わせる。
ただ、このように大きな RC造は、当時としてもとても珍しかったのではないかと思う。
また、ゲーテアヌムを中心とした丘の周辺にもキャンパスが広がり、関係する建物や住宅が点在する。
キャンパス内を自由に見学し、さぁ、旅もそろそろ終着を迎えようとしている。
最後に向かったのは観光中に遠くから眺めて気になっていたSt.Jakob-Tower。
すぐお隣にはFCバーゼルの本拠地ザンクト・ヤコブ・パルク(St. Jakob-Park)。
どちらも設計は、やはりこの人、Herzog & de Meuron。
〆

も、最後まで、

づくしのBaselでした。
一緒に行った友達たちも、あまりがっつく系ではなかったので、偶然の発見も多く、ゆったり濃厚、成り行き任せで予測不可能なとっても楽しい旅となった

バーゼルに関して言えば、ノーリサーチ、ノープランが、結果的には

バーゼルは、普通に観光していると、おのずと有名建築に出会える街だった

私的には、あまりすべてを見るぞと意気込まず、街歩きとセットで気の向くままに

をお勧めしたい。
特にHerzog & de Meuronなんかは、ファサード建築も多く、中に入れないものも多いし。
見逃したっていいじゃない。そのぶんたくさんの発見があるさ。
素敵な路地がたくさん。
ぜひぜひ、イチ個体としての現代建築のみに注目するのではなく、移り行く街と、歴史を感じながら堪能してほしい


街ノート
BASEL:現代建築の宝庫
滞在期間:2010.01.26~30
訪れた主な建築:州立病院ロセッティ医薬研究所、Sanierung Klinikum、Universitätsbibliothek、シ グナルボックス、Locomotive Depot、SUVA ハウス、BIZ Tower、国際決済銀行、製薬会社ノバルティスキャンパス、
ゲーテアヌム、St.Jakob-Tower、ザンクト・ヤコブ・パルク、市庁舎、Münster 教会、Spalentor

参考図書
一番の参考図書は、インフォメーションでもらえる建築MAPです


予告
これから、
ヴァイル・アム・ライン、
ロンシャン、コルマールと、建築色の濃い都市を巡っていきます。

-よろしくおねがいします-