さらに摂社、末社、所管社と続き、全てあわせて125の社宮を神宮と呼ぶのだとか。
昨年、式年遷宮の年ということで大フィーバーしていたわけだが、遷宮は14の別宮全ての正殿も対象になるため完了するのは来年4月。まだ遷宮中というわけだ。
正直私は、伊勢神宮について何も知らなかった。
私が最も感動したのは、遷宮が、隣接する敷地にすべて新築で建立されるということ。
さらに御装束神宝も新調される。
これまで62回の遷宮を行ったそうだが、その一切に改変がなされていない。
20年に一度の式年遷宮は、技術の継承という点でも大きな役割を担っていることがよくわかる。
この20年という単位の意味には諸説あるようだが、見習いから棟梁、後見まで務めることができるのはひとつの利点である。
出雲大社が60~70年毎ということで、平成の大遷宮時には若くして遷宮を経験した宮大工がわずか3人だったというのだから継承の難しさがよくわかる。
新宮は、神明造と呼ばれる建築様式で檜を無塗装の白木で使う。
絢爛豪華とは真逆の素朴で力強い社殿だ。
もっというと、農家を思い起こさせる。
それは、権力の象徴などではなく、豊かな国力を体現しているようだった。
国力とは、国土であり森であり土壌であり水である。
加えて稲作は日々の営み、政治文化の礎をなすものとして特別な意義を持つ。
豊かな稔りと国の繁栄への祈りが込められているのがよくわかる。
お賽銭箱やおみくじがないのもわかるような気がする。
私は、これまで白木の良さを真に理解していなかった。
こうして考えると、料亭や寿司屋なんかが好んで白木を使うのも納得である。
すべて造替ということは、それだけ檜を要するということだ。
古材は、別宮以下様々な場面で無駄なく活用されるとのこと。例えば、内宮と外宮の御正殿の棟持柱は、削り直して宇治橋の前後の鳥居にといった具合に。
とはいえ必要となる檜はおよそ1万本。
森を護り、育てることは必要不可欠である。
伊勢神宮でもおおよそ200年後を見据えて植林を続けているらしい。
元来私たちは、森から恩恵を受けた分だけそれを還元しながら生きてきたわけであるが、今の私たちはそれをどこか遠いところにおいてしまった。
建築に携わるものには、そのことを伝える義務があると思うのだ。建築士が見るべきものは、100年後、200年後の未来だ。
原点に還る。
さほど田舎で育ったわけでもないのに、伊勢神宮にどこか懐かしさを感じたのは、私が日本人だということだろうか。
街ノート伊勢:日本人のルーツ
滞在期間:2014年11月28日~12月01日
訪れた主な建築:伊勢神宮外宮/内宮、伊勢河崎商人館
アクセス:難波-伊勢 車で約3時間
宿:伊勢のゲストハウス 風見荘
タラサ志摩ホテル&リゾート
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