
私は電車に乗ると必ず、中刷り広告を見る。
単なる持て余しをそこで潰している。
その中で、こんなキャッチフレーズがあった。
『いい大学に入るのも、優良企業に行くのも、
先生に好かれるのも大切。
でも10年後、一億の収入より100万ドルの笑顔』
とかく私たち親の忘れてしまいそうな心を刺すモノである。
いま育児中の親、小学生の子供をもつ親、受験生を応援する親。
その子供達が生まれてくるとき、心配はたったひとつだけだった。
指が五本あればいい。つまり五体満足であれば望むものはなかった。
指一本多くても、少なくても、子供の行く末を心配する。
健康で元気な産声を上げてくれれば、それだけでいい。
なのに、いつしか忘れてしまった。
勉強が出来て、スポーツも出来て、積極的で、
親の云うことに素直に聞くような、そんな理想を子供に見る。
どんな大学に入るのか、どんな企業に就けるのか、どんな人間になるのか。
私は完璧な親ではない。そして完璧になどなれない。
息子にも夫にも、良妻賢母を求められても応えられないだろう。
応えられないのは、完璧になれない私が私である、ということだから。
これが人間であり、人間の愛すべきところだと思う。
私が完璧ではないのに、息子に理想を求めるのは間違っている。
あのキャッチフレーズを見つめながら、多分0,04秒ぐらいで思った。
このキャッチフレーズは間違っていない・・・・
それなら、私は息子にこう云うしかない。
『一億円の収入より、あなたの100万ドルの笑顔が欲しい!!』
